高額な成功報酬には注意、親身になってリスクを伝えます。

マンション消費税還付のシロ・クロの境界線とは

結論から申し上げれば、税制改正後も「マンション消費税還付は厳しくはなったがまだ可能な状態」であり、

真に検討すべきはテクニカルな手法ではなく「税務当局に行為計算否認されないだけの実態を持った還付申告」だと言える。

これを実行するためには、信頼できる税理士にすべてを相談して取り組むことが必要であり、

消費税をテクニックだけで論じることは非常に危険である。

 

某大企業オーナーのグループ会社が不動産の売買を巡り不正に消費税還付を受けたとして報道されたことは記憶に新しい。

不動産購入や新規物件の建築について消費税還付を受けている例は多々あるにもかかわらず、

なぜこの事件は「不正」とされ大々的に報道されてしまったのか。

 

大企業経営者に対し社会的信用を失墜させるための、単なる「見せしめ」と断じていいものだろうか。

学習すべき点は多々あるように思われる。(国税庁は富裕層向けに管理を強化しているが、ここではあくまで一般納税者向けに論点を絞る。)

課税庁から否認を受けたこの消費税還付スキームについては下記特徴が挙げられる。

 

1、同族会社間での不動産売買による消費税還付申告であること

2、同族会社間での別の取引を利用して課税売上割合を操作していること

 

第一の同族会社間での不動産売買であることについて、通常は、これは何ら懸念する必要のない特徴であるはずだ。

同族会社間であっても、不動産売買と登記は司法書士などの第三者のチェックを経て公正に実施される。売買の事実自体を否認することは税務当局にも不可能であろう。

(代金決済がされない、不動産仲介業者を通さないなどの不自然な売買は論外として)

 

だが、売買の時期や価格について自由に決定可能であるという意味において、

消費税還付のみならず法人税法上も厳重なチェック対象となることは忘れてはならない。

第二の特徴である、「同族会社間での別の取引を利用して課税売上割合を操作していること」

こちらこそが本件の最大の論点であろう。

消費税還付において課税売上割合の管理が非常に重要な意味をもつことは後述の通りだが、

課税売上を計上した相手先が同族法人であり、しかも車両の売却という1取引のみであったことが本件が税務上否認された大きな原因になっていると考えられる。

 

先述した通り、税務当局は不動産売買自体について否認出来る可能性が少ないため、着眼点を変えて課税売上を否認する方針に転換したものと思われる。

 

当然車両の売却についても、車両代金の決済に始まり、名義書き換えや売買当事者での自動車税の負担、自動車取得税の納税、車庫証明の取得、など当事者間のみならず官公庁をまきこんで諸々の手続きがなされるものだが、

本件の場合このいずれかが履行されておらず「形式だけの売買で実態無し」との判断に至ったということではないかと推測される。

 

それ以前の問題として、年間1取引、2取引と行ったの少ない取引数で課税売上を構成する場合、

税務当局は「このわずかな2-3取引だけ否認すれば消費税還付を根底から覆すことができる」と考えるはずだ。

税務職員は調査で成果を上げなくてはならない立場であるから、当然このような思考方法となる。

 

つまり、この消費税還付スキームには「二重三重の守り」が不足していたのかもしれない。

税務調査対策を真剣に考えた場合には、

車両売却が否認されても、第2、第3の別の取引、理想を言えば資産売却に限らない事業収入(同族関係者以外の第三者に向けた複数の売上)が欲しいところである。

できれば法人税の課税所得はマイナスにし、税務調査に入られる可能性自体を低減させておきたい。

 

心配事を抱えながら数年を過ごすのは、納税者・税理士ともに非常に負担に感じられるものである。心配を抱えないように手を打っておきたいものだ。

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〒210-0006 神奈川県川崎市川崎区砂子1丁目10−2 ソシオ砂子ビル3F

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代表税理士  田中健太郎 

従業員数   企業全体15名 (うち女性11名)

年齢構成   20代5名 30代10名

顧問先    約250社(8か国)

営業時間   平日 9:00~18:00

事務所へのアクセス 京浜急行 川崎駅 より 徒歩2分

          JR    川崎駅 より 徒歩5分

代表者経歴 

昭和58年 横浜市鶴見区に生まれる

平成16年税理士法人みらいコンサルティング入社 ベンチャー企業から上場企業・外国法人までの決算・税務申告業務に従事

平成20年税理士法人タクトコンサルティング入社

富裕層の相続税・事業承継対策、相続税・譲渡所得税申告業務に従事

平成22年りんかい会計社 税理士田中事務所 (渋谷) 開設

平成23年税理士法人ACS 設立に参加 (秋葉原) 

平成24年事務所を地元横浜に移転 税理士田中事務所 再始動 

平成25年経済産業省 認定支援機関として登録

平成28年事務所を川崎駅前に移転 

資格 税理士・登録政治資金監査人 

専門分野個人事業主・法人向け節税コンサルティング、 

銀行融資用の事業計画書作成、相続税節税対策・遺産分割対策 

外国人向けの対日投資アドバイス、在留資格取得のコンサルティング

第1年度の課税期間

 

建物の建築または建物の購入により課税仕入れ(調整対象固定資産)が発生し、消費税が還付申告となります。 

※課税売上割合に応じた還付金額となるため、レジデンス(住宅)物件では、

 自動販売機スキーム(改正前)・金売買などの課税売上割合対策が行われます。

 国税当局が表立って行為計算否認している話は聞かないが、(消費税に行為計算否認規定はないといわれるが) 会計検査院などでも指摘されたとおり「脱法スキーム」の目で見られるのは必至です。 

もし、自販機などを使わずに店舗、事務所テナント用で賃貸経営を行い、課税期間を不自然に変更しなければ、「脱法スキーム」色はだいぶ薄れるのではないでしょうか。

 

意図をうかがわせるものと言えば課税事業者選択届出書を提出していること(あるいは資本金1000万円以上で設立していること)ぐらいです。 

第3年度の課税期間

 第1年度~第3年度の課税期間に関して、

変動率、変動差の要件により、調整対象固定資産の仕入れ税額控除の調整の有無が決まります。 

仮に第1年度の課税期間の課税売上割合がほぼ100%だったとすれば、

3年間で1度も課税売上割合が50%を下回らなければ大丈夫な計算です。

 

金の売買や骨董品の売買をして課税売上割合をあげようという話も聞いたことがあるが、

スポットでの資産運用取引で課税売上を操作することにはリスクがあります。反復継続した取引の必要があるでしょう。

・課税売上を作るため以前に、資産運用として望ましい売却になっているのか

・年間2-3取引の少ない取引数で課税売上を構成する場合、税務当局は「このわずかな2-3取引だけ否認すれば消費税還付を根底から覆すことができる」と考えるはずだ。税務職員は調査で成果・増差税額(修正申告による納税)を上げなくてはならない立場であるから、当然このような思考方法となります。 

税務調査

 

そして、確率は非常に低いでしょうが、税務調査。後ろめたさをもって調査に臨むくらいであれば、最初から消費税還付をしなければよいということになります。合法と認められる節税をしているのであり、不自然な点や後ろめたい点はないという信念をもって調査に臨んでください。

「私は知りません、建築会社と税理士に勧められたからやりました」そんなことを言いそうな人は最初から消費税還付をしないことです。

(まとめ)改正後の消費税還付を要約すると・・・

 

1、課税売上割合を3年間維持することが必須である

 ∴3年間は事務所OR店舗用として賃貸し、4年目以降にレジデンスにすることも一考

 

2、不動産賃貸業以外の事業収入を持っている会社にとって、

  上記1の課税売上割合のコントロールは比較的容易

 

3、節税スキーム、還付スキームのレッテルを貼られないためには、

  わざとらしい課税期間短縮や事業年度変更はなるべく避ける。

 

4、グループ会社間取引に頼ることは危険。

 単発取引で課税売上を作るのは安直である。

 第2第3の課税売上を用意する事。

 (第三者を巻き込んだ2段構え、3段構えの必要) 

 

1物件 1法人にするのはなぜか?

消費税の還付スキームにとっての生命線は、還付の際には課税事業者であり、

その後最短のスケジュールで免税事業者に戻る事である。

物件売却の際に消費税を納税するのであれば、

消費税還付の金銭的なメリットは一時的なものに過ぎなかったと言える。

この辺りが、いわゆるマンション消費税還付が行き過ぎた節税スキームだと会計検査院に指摘された所以だろう。もらうものはもらい、払うものは払わない、これが問題だと言える。

 下記の図は消費税還付に適さないと判断した投資計画の一例である、複数物件を所有しているうえに、課税売上(店舗・事務所収入)も生じており、一部物件の譲渡が予定されている。

この状態ではなかなか免税事業者に戻ることはできず、消費税還付による税メリットは1-4期の間で消滅してしまうと言える。

コラム1 土地建物の価格比率

消費税還付の対象になるのは建物部分の金額であることから、また減価償却費として経費計上可能なのも建物部分の金額が対象となることから、一般的に不動産投資家は建物部分の金額を大きく計算して申告を行いたがる傾向があります。

しかし、無茶は禁物です。大家さん同士の情報交換により、「建物価格をかなり大きく申告した」という話をされる方がよくいらっしゃいますが、そのうち何%の人が実際に税務調査を経験したのでしょう。(調査があったとしても、ベテランの厳しめの調査官だった確率は更に下がります。)

理論に溺れるのではなく原理原則に従った処理が必要となります。

 

①土地建物を別々に取得した場合 → 金額が明らかなのでその金額で申告するしかない

②建物の金額が契約書に記載されている →金額が明らかなので  〃

③消費税額だけが契約書に記載されている → 消費税額を8%で割り返すと建物金額となりその金額で申告するしかない

④上記いずれにもあてはまらない(土地建物を合わせた代金のみが契約書に記載)

→土地建物の固定遺産税の価格比で売買金額を按分して計上

コラム2 消費税還付の日程は

消費税還付までどのくらいの日数を要するかは、マンションオーナーにとって関心事の一つです。税務署には1か月の間に2回、月の上旬と下旬に消費税の還付を行う日程があるそうです。

下記の手順が完了するのに、竣工から3-4か月と考えておくべきかと思います。

弊社では②の書面郵送を省略するために当初申告時から各種添付資料を同封して申告する事にしております。(消費税還付で問い合わせされる事項は最初から分かっております。)

 

①消費税の申告(竣工より1-2か月)→ ②税務署より還付に関するお尋ね書の送付 →③税理士から回答(請負契約書や消費税計算書などの添付)→ ④税務署内審査 → ⑤還付実行 

コラム3 個人・法人のどちらで物件取得するのか(消費税還付に有利なのは?)

この判断には様々な要素が絡みますが、主に下記③の理由から法人で取得するという結論が導かれることが多いように思われます。

 

①法人は永久の存在ではない、いつかは法人を解散し個人に財産を移す局面がありえる。

 その時にまた不動産取得税や登記費用、売却利益に対する課税が発生するのだから、最初から個人で不動産を所有しておくべきである、という考え方。

 

②サラリーマン大家さんの場合、会社に不動産所得があることを知られてはまずいこともあり得る。個人で不動産所有の場合、不動産所得について住民税の普通徴収を選択すれば問題ない(勤務先会社に不動産所得分の住民税の通知はいかない)。

法人で不動産所有の場合、役員給与をサラリーマン大家さん本人がもらってしまうと、勤務先に対し給与所得の住民税の通知が行われ、副業が発覚してしまう恐れがある。∴配偶者など親族に役員報酬を出すことになり、そのような配偶者などがいないと、給与の支払先に困る場合がある。

 

③消費税還付は建物俊工時に課税事業者であって、建物売却時に免税事業者に戻っていることがタックスメリットの肝である。免税事業者にもどるためには2年前の課税売上(店舗賃料や建物売却)が1000万円未満の必要があり、このためには1物件1法人の形で取得することが必要である。(このページ内の「1物件1法人にするのはな何故か」をご参照ください)

 

④主に銀行対策として、全部でいくつの物件を所有して、いくらの借り入れがあるかの全体像をオープンにしたくない。この場合には1法人1物件にして、それぞれ融資を受ける銀行を別にするという戦略もありえる。

コラム4 法人の登記住所と口座開設の可否

法人の登記住所はどこにすべきか、この問題は融資を受ける金融機関のどこの支店とお付き合いをするかという問題と深く関連します。サラリーマン大家さんの場合には、銀行側から「勤務先の近くかご自宅の近くの視点で融資したい」という意向があったケースもあります。

 

ただし、自宅に登記をしては何個の法人をもっているか銀行に丸裸になってしまう(笑)という心配をされる方もいらっしゃいます。

そのような場合にはこれから建築する賃貸物件所在地やレンタルオフィスなどで登記することも選択肢になってきます。

 

レンタルオフィスに関しては通常は銀行の口座開設・融資の際に懸念材料になることが多く、

また、金の売買でマンション建築費の消費税還付をする場合の金口座の開設ができるかどうか、

よく確認を取る必要があります。

コラム5 消費税還付金収入は利益扱いになる

消費税還付金は、建物竣工年度と消費税申告年度(つまり竣工の翌期)のどちらで収益計上してもよいことになっています。(原因が生じた年度、申告した年度のどちらでも処理可能。)

一般的には税務調査を避けるためには還付金の計上年度は遅い方がよいという考え方をするはずですが、別件で銀行融資等の事情があり黒字決算をしたいという場合にはあえて竣工年度の収益に計上することも選択肢となります。

消費税還付 質疑応答事例

ゼネコン以外が旧建物を取り壊した場合の消費税還付の可否

(質問)

法人が土地建物を取得し、旧建物を取り壊し、建物を新築する場合の、
仕入税額控除時期についてですが、
取壊をゼネコンとは「別の」業者に発注する場合、
仕入税額控除の時期を建物竣工時にすることはできるのでしょうか。
設計料の例示は通達でもありますので、類推すれば竣工時で問題ないように
思えますがいかがでしょうか。
消費税法基本通達11-3-6、 法人税法基本通達6-3-8

 

(回答)

取壊しに係る費用についての仕入税額控除の時期
消費税法上、課税仕入れ等の税額に係る仕入税額控除は、その課税仕入れ等を行
った日の属する課税期間において行うこととされています(消法30①)が、事業
者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行ったその建設工事等のための課税仕入
れ等の金額について建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、その目的物の
完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、これを認め
ることとされています(消基通11-3-6)。
このことから、事例の場合、その取壊しに係る費用について建設仮勘定として経
理している場合には、その建設仮勘定として経理した取壊しに係る費用はその建物
の全部の引渡しを受けた日の属する課税期間における課税仕入れとして処理する
ことは認められると考えます。

マンション消費税還付 税制改正内容(条文)

 

高額資産を取得した場合における消費税の中小事業者に対する特例措置適用関係の見直し

 

① 事業者(免税事業者を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取(以下「高額資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。

(注)上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。

 

② 自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記①の措置を講ずる。

 

③ その他所要の措置を講ずる。

 

(注)上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用する。ただし、平成27年12月31日までに契約した締結に基づき平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。

※消費税の対象となる課税売上高とは?

 

事務所や店舗など住居以外として賃貸する家賃収入をいいます。

 

消費税では土地自体の賃貸や住居としての家賃収入は非課税となるためです。

 

 なお、いわゆる民泊やウィークリーマンションなどで1か月以内の滞在期間のものはこの場合の住居に該当せず賃料収入は課税売上となります。

 

 

 

 注意点としては、建物自体の売却も消費税の課税売上となることです。

 

 節税プランニングとしては、免税事業者である年度にタイミングよく譲渡しておきたいものです。

マンション消費税還付とは何か 何が問題なのか

 マンション消費税還付問題について、何が問題かと言えば、

テクニック的な話が先行して、税法がツールのようにもてあそばれているところが最大の問題と言える。情報商材じみたビジネスをしている税理士さんもいる。

 

税務においては、届け出の有無有利不利の選択であったり、この書面を添付したから有利になるなど、「そんな有利不利なんのためにつくった」という税理士泣かせな意味不明な制度がいくつかあるが、 消費税のツールとしての自由度ははっきりいって度を越して高すぎている。

 

税金って何かわかっていますかと言いたくなるぐらいの状況であり、税務相談者がよく口にする、

違法と言い切れないなら、私は有利にやりたいですよ?

 いけないならいけないで、 その辺はしっかり法律で決めといてくれなきゃ!

というセリフに税理士は閉口しているはずだ。

 

もともと、大家さんを目指す人というのは、代々地主の家系であるとかで、何も考えずに大家さんをやろうという人も一部いるが、最近はマニアックに大家業を極めようとするプロ的な方が非常に増えている彼らにとって、消費税還付スキームは面白くて仕方のない教材だと言える。 

(意見)消費税還付は悪なのか?

一般的な良識ある税理士からすれば、マンション消費税還付は行き過ぎた節税テクニックであり、ちょっとした悪事だということになるでしょう。

現に税理士会の研修会の中には「問題のある消費税還付スキーム」と題して講義され、消費税法の制度設計の綻びを指摘する内容のものも存在します。

 

これに対し、一般的なプロの大家業からすれば、マンション消費税還付をしない、知らないということは素人である、話にならない、そんな税理士と付き合ってメリットはないということになります。

この対立構造はいったいどこから生まれるのでしょうか。

(意見2)立法趣旨、改正主旨は誰にどう伝わるのか

税法は非常に分かりづらい、弁護士にも読めない、それどころか税理士にすら読めないとよく言われます。なぜかと言えば、立法趣旨や改正主旨を説明せずに、いきなり詳細な要件・定義の文章が条文として提示されるからです。

 

このような状況であれば当然とも言えるのですが、

条文だけを見せつけられている税理士・納税者・企業・コンサルタントの一部は、「条文をしゃくし定規に解釈した結果OKなのであれば、この節税はOKだ」と考えます。

 

ただし、現実にはそうではありません。

立法趣旨からすれば認められるべきでないものが、条文上はOKになっているということがあるからです。

そして、税務調査の現場では、税務調査官は必ずしも条文に基づいて指摘を行ってくるのではありません。彼らは彼らなりに税法における「正義感」「倫理観」を持っていて、それに基づいて税務調査上の質疑・受け答えが行われます。

ですので、マンション消費税還付がいくら条文的に合法であっても、現実に税務調査上のトラブル(調査が来るということ自体が面倒なことであり、会社にとってトラブルです)を巻き起こしてしまうのです。

 

この人は節税が好きな人だ、金銭に対してせこい人だ、還付のこと以外にもいろいろな細かいテクニックを弄しているに違いない、と税務調査官は感じ、彼なりの正義感に基づいて行動するのです。そしてそれは、公務員としてごく真っ当な姿勢です。

(意見3)マンション消費税還付を止めてほしいというメッセージは誰にどう伝わったか(国税庁は本当に禁止する決意があるのか?)

税制改正の都度、税制改正大綱が公表され、また各種税務専門雑誌が改正担当者に取材を行うなどして、税制改正にまつわる思惑は多少公表されてきています。

また、マンション消費税還付については会計検査院が問題視したという報道もなされました。

 

では、一般の大家さん達にとって、パンフレットや説明書の形でこのことを解説した文書は、

国税庁から公表されているでしょうか。

おそらくですが、答えはNOだと思います。

 

簡単なことです。税理士会、宅建協会あたりに対し周知するためのパンフレットを配布するというアイデアは無かったのでしょうか。

「マンション消費税還付はやめてください」このワンフレーズがあれば、十分(やめてくださいなどというものが税法的におかしいのは当然としても、周知効果はある)ではないでしょうか。

マイナンバーについてあれだけ細部を省略して簡単に広報しているのですから、不可能ではないと思います。

 

国税庁は真にマンション消費税還付を無くそうという決意があるのかどうか、おそらくどの税理士に聞いても懐疑的だと思います。

はっきり申し上げてこのスキームはもう10年以上もメジャーに行われており、そうそうたる大手不動産会社・デベロッパー・信託銀行が税理士やコンサルタントを通じて大家さんたちによく勧めてきたものだからです。

 

ですので、あえて完全に手を打っていない側面があるのではないかと、私は思っているのです。

税務の現場では常識に基づいて判断が行わるのであり、我々は非常に現実的な対応をする業界で生きていると感じさせられます。