2月15日 資料提出期限

 

 

 

税理士 田中健太郎

230-0003 横浜市鶴見区尻手1-1-18-729

Tel:045-513-6595 

 

 

 

              

平成 27 年度 確定申告にあたってのお願い

 

平素より大変お世話になっております。

 

本年も確定申告の季節がやって参りました。

 

つきましては、大変お手数ですが、確定申告の資料をご用意頂く際、下記の表にご記入頂き、資料と併せてご提出頂きますようお願い申し上げます。

 

ご不明な点はお気軽にお問い合わせ下さい。

 

なお、資料の送付は月15日までにお願い致します。2月15日までにご用意出来ない資料につきましては別途ご郵送下さいませ。

敬具

 

(フリガナ)

 

氏 名

 

生年月日

明・大・昭・平    年   月   日

住所

 

電話番号

 

 

記入日  月  日

 

 

 

 

 

1.    所得税質問事項

質問

ご回答

「有」又は「はい」の場合は以下の資料をご用意下さい

配当収入はありましたか?

有・無

支払調書

事業収入・不動産収入はありましたか?

有・無

収入・経費に関する資料

  通帳

  売上明細

  請求書領収書

  給与明細

  固定資産税課税明細書

  借入返済予定表 その他

給与収入はありますか?

有・無

源泉徴収票

(複数の会社からの給与収入がある場合は各社の源泉徴収票)

退職金の受け取りはありますか?

有・無

退職金の金額が分かる書類

解約又は満期による保険金収入はありましたか?(養老、損害保険等)

有・無

収入金額の明細

年金収入はありましたか?

(国民年金、厚生年金等)

有・無

源泉徴収票

土地・建物を譲渡しましたか?

はい・いいえ

譲渡資産の登記簿謄本

譲渡資産を購入した時の

  売買契約書

  領収書

  仲介手数料の領収書

  印紙、登録免許税、不動産取得税の金額が分かるもの

  その他諸経費の領収書

  譲渡資産を譲渡した時の

  売買契約書(明細書)

  仲介手数料の領収書

  印紙の金額が分かるもの

  その他譲渡の際にかかった費用の領収書等

 

質問

ご回答

「有」又は「はい」の場合は以下の資料をご用意下さい

株式を譲渡しましたか?

はい・いいえ

  譲渡価額が分かる資料

  譲渡した株式を、購入した時に支払った金額(取得費)が分かる資料

  譲渡にかかった費用の領収書

  借入がある場合、負債利子の金額が分かる資料

ゴルフ会員権又はリゾート会員権を譲渡しましたか?

はい・いいえ

  譲渡価額が分かる資料

  ゴルフ会員権又はリゾート会員権を購入した時に支払った金額(取得費)が分かる資料

  売却手数料等に係る領収書

昨年度の所得税又は住民税について還付を受けましたか?

有・無

還付金の金額が記載されている書類

その他の収入はありましたか?

(書画、貴金属等の売却)

有・無

収入の詳細が分かる資料

火災・盗難等の損害が有りましたか?

有・無

災害関連の支出を証明する書類

10万円超の医療費の支払いがありましたか?(家族全員の合計)

有・無

医療費の領収書(コピー不可)

国民年金・国民健康保険等の社会保険料の支払いはありますか?

有・無

控除証明書

(社会保険庁から送付されてきます)

小規模共済等への加入はしていますか?

はい・いいえ

支払証明書

生命保険に加入していますか?

はい・いいえ

保険料控除証明書(一般・年金)

地震保険又は損害保険(長期・満期返戻金有)に加入していますか?

はい・いいえ

保険料控除証明書

寄附金の支払いはありましたか?

有・無

領収証(控除証明書)

質問

ご回答

「有」又は「はい」の場合は以下の資料をご用意下さい

扶養者はいらっしゃいますか?

有・無

扶養者の情報をご記入下さい

 

① 氏   名:         

生年月日          

年 収:       

生計一 ・ 生計別

 

② 氏   名:         

生年月日          

年 収:       

生計一 ・ 生計別

 

③ 氏   名:         

生年月日          

年 収:       

生計一 ・ 生計別

 

④ 氏   名:         

生年月日          

年 収:       

生計一 ・ 生計別

ご家族に障害者に該当する方はいらっしゃいますか?

はい・いいえ

該当者の情報をご記入下さい

 


氏   名:
         

生年月日
         

等   級:     級

昨年中に金融機関等からの借入により住宅を新築等しましたか?

はい・いいえ

・建築確認書の写し

・家屋の登記簿謄本
・売買契約書又は工事請負契約書
・住民票の写し
・住宅取得資金に係る借入金の残高

証明書

寡婦(夫)に該当しますか?

はい・いいえ

理 由: 死別 ・ 離婚

質問

ご回答

「有」又は「はい」の場合は以下の資料をご用意下さい

予定納税はありましたか?

有・無

予定納税通知書又は出金の事実が示された通帳のコピー等

住民税の納付方法をご教示下さい

給与から引落し

納付書で納付

-

所得税の納付について振替納税を設定していますか?

はい・いいえ

口座の情報が分かる資料をご用意頂くか、又は、以下にご記入下さい。

 

銀行名:

 

支 店:

 

類:

普通 当座

口座番号:

 

 

世帯主をご教示下さい

-

氏名:        

還付口座をご教示下さい

-

口座の情報が分かる資料をご用意頂くか、又は、以下にご記入下さい。

銀行名:

 

支 店:

 

類:

普通 当座

口座番号:

 

 

 

2.    消費税確認事項

     来年、再来年に多額の投資(建物等)をする予定はありますか?     はい・いいえ

 

② 消費税の納付について、振替納税を設定していますか?        はい・いいえ

振替口座が分かる資料をご用意頂くか、又は、以下ご記入下さい。

銀行名 :        
支  店:        
種  類: 普通 当座
口座番号:        

 

3.    贈与税確認事項

① 本年中に贈与により取得した財産(土地、預貯金、その他)はありますか?   はい・いいえ

「はい」の場合は、取得資産の詳細が分かる資料をご用意下さい。

 

 

② 過去において、相続時精算課税制度により贈与税申告をしたことがありますか?

はい・いいえ

  「はい」の場合は、贈与税申告書の控えをご用意下さい。

 

 

4.    その他

     税務署から郵送された申告書をご送付下さい。

     過去3年分の所得税及び消費税確定申告書の写しをご送付下さい(弊社で初めて申告書を作成する場合のみ)

     その他相談事項がある場合はご記入下さい。

 

 

 

 

 

 

【簡略版 必要資料】

国保   領収書など支払い金額のわかる書類

国民年金 控除証明

生命保険 控除証明

医療費  領収書(年10万円以上の場合のみ)

寄付金  領収書

 

事例集 所得税・消費税誤りやすい事例集(平成13年12月) 東京国税局 課税第一部個人課税課情報公開法第9条第1項による開示情報】

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     所得税         誤りやすい事例集

     (平成13年12月)       東 京 国 税 局      課税第一部  個人課税課

     活用に当たって

1 この研修教材は、「誤りやすい事例」について、個人課税課で取りまとめたものである。

2 事例は項目別に整理し、「⇒」以下に事例に対する補足説明を行った。

3 各種の研修等(部外に対するものを含む。)を行う際には、その対象者や目的に応じて、この研修教材を適宜編集するなどして、有効に活用

されたい。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥〔凡  例〕‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

:本事例集の文中、文末引用条文の略称は次のとおりである。                 :

:(1) 法 令                                                :

:  法・・・・・・・・・所得税法                                      :

:  令・・・・・・・・・所得税法施行令                                  :

:  規・・・・・・・・・所得税法施行規則                                 :

:  措法・・・・・・・・租税特別措置法                                  :

:  措令・・・・・・・・租税特別措置法施行令                             :

:  措規・・・・・・・・租税特別措置法施行規則                           :

:  消法・・・・・・・・消費税法                                      :

:  消令・・・・・・・・消費税法施行令                                  :

:  耐用年数省令・・・・減価償却資産の耐用年数等に関する省令               :

:  平11改正措法附・・租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る

    国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律(平成11年法律第9号)附則     :

:  平11改正措令附・・租税特別措置法等の一部を改正する政令(平成11年政令第120号)附則             

:  平6改正消法附・・・消費税法の一部を改正する法律(平成6年法律第109号)附則             

:  平3改正消法附・・・消費税法の一部を改正する法律(平成3年法律第7号)附則                        

:(2) 通 達                                                 :

:  基通・・・・・・・・所得税基本通達                                   :

:  措通・・・・・・・・租税特別措置法通達                                :

:  消基通・・・・・・・消費税法基本通達                                 :

:  耐通・・・・・・・・耐用年数の適用等に関する取扱通達                      :

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

                  目  次

                ┏━━━━━━━┓

                ┃所 得 税 編 ┃

                ┗━━━━━━━┛

1 納 税 地 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1

2 所得の帰属 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2

3 非課税所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2

4 所得区分  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  3

5 各種所得金額の計算 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4

 1 配当所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4

 2 不動産所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  5

 3 事業、不動産所得共通事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  7

  (1) 収入金額 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  7

  (2) 家事費等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  8

  (3) 損害保険料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  8

  (4) 減価償却費 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  9

  (5) 専従者控除(給与) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13

  (6) 修繕費 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14

  (7) 繰延資産の償却 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15

  (8) 借入金利子 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

  (9) 貸倒損失 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

  (10) 資産損失・立退料・取壊し費用 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

  (11) 青色申告承認申請 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

  (12) 青色申告特別控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

  (13) 家内労働者等の特例 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17

  (14) 措法26条関係 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17

 4 給与所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

 5 退職所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

 6 山林所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19

 7 譲渡所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19

 8 一時所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20

 9 雑所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21

6 損益通算 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22

7 所得控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24

 1 雑損控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24

 2 医療費控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 25

 3 社会保険料控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

 4 小規模企業共済等掛金控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

 5 生命保険料控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

 6 損害保険料控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 29

 7 寄付金控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 29

 8 老年者控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 31

 9 寡婦(夫)控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 31

 10 障害者控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 32

 11 配偶者控除、配偶者持別控除、扶養控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 33

8 税額計算等の特例 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 35

 1 変動、臨時所得の平均課税 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 35

 2 分離譲渡所得 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 36

9 税額控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37

 1 配当控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37

 2 住宅借入金等特別控除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39

10 確定申告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 42

 

 

                ┏━━━━━━━┓

                ┃所 得 税 編┃

                ┗━━━━━━━┛

1 納税地

 ○ 事業所を納税地とする届出書を提出せずに、事業所を納税地としている。

  ⇒ 事業所を納税地とするためには、住所地及び事業所の所在地双方の所轄税務署長に対して、その旨を記載した届出書を提出

    しなければならない

(法16②④)。

 ○ 出国する場合の納税地を納税管理人の住所地としている。

  ⇒ 出国する者の納税地は、納税管理人を選任した場合であっても、納税者本人が国内に住所を有しなくなったときに納税地

    とされていた場所である(法15)。

 〇 死亡した者の所得について、相続人の住所地を納税地としている。

  ⇒ 死亡した者の所得税の納税地は、相続人の納税地ではなく、死亡当時におけるその死亡した者の納税地である(法16⑥)。

 ○ 給与所得者が勤務先を納税地としている。

  ⇒ 納税地は、原則として住所地(生活の本拠地)とされ、勤務先を納税地とすることはできない(法15一)。

 

2 所得の帰属

 〇 共有物件を賃貸し、その全部を1人の所得として申告している。

  ⇒ 資産から生ずる所得は、その所有者(共有の場合には、各人の持分割合)に帰属する(基通12-1)。

 ○ 配偶者や親名義の土地を、例えば月極め駐車場として、土地所有者以外の名義で契約し、その所得を契約者の所得として申告している。

  ⇒ 土地の所有者以外の者が構築物の設置等に係る相当の費用負担をしない場合の単に土地のみの貸付けによる所得は、

契約にかかわらず、土地の所有者が申告しなければならない(基通12-1)。

 

3 非課税所得

 ○ 遺族年金を雑所得として申告している。

  ⇒ 遺族年金で死亡した人の勤務に基づいて支給されるもの及び各社会保障制度に基づき支給されるものは非課税である

(法9①三、国民年金法等の各特別法)。

 ○ 通勤手当の支給を受けていない給与所得者が、自宅から勤務先までの実際に通勤に要する費用に相当する金額を、

   非課税として当該通勤費相当を給与収入から控除して給与所得を計算している。

  ⇒ 非課税とされる通勤手当は、給与所得者が通常の給与に加算して受ける通勤手当のうち、通常必要である部分(法9①五)

   であるから、給与のうちから通勤費を支出していることが会社からの証明書等で明確になったとしても、非課税として給与所得から

   控除して給与所得を計算することはできない。

 ○ 自由職業者の受ける出張旅費を非課税としている。

  ⇒ 非課税とされる出張旅費(通常必要であると認められるもの)は、給与所得者の場合に限られる(法9①四、基通204-4)。

 〇 外国の宝くじ当せん金を非課税としている。

  ⇒ 非課税とされる宝くじ当せん金は、国内のものに限られる(当せん金付証票法13)。

 ○ 日本人が外国公館に勤務して受ける給与を非課税としている。

  ⇒ 日本国籍を有する者は、外国政府に勤務してもその給与所得は非課税とされない(令24)。

 ○ 交通事故による損害賠償金をすべて非課税としている。

  ⇒ 損害を受けた者の所得の計算上必要経費に算入される金額(例えば従業員に対する給料等所得計算上、必要経費に充てられた部分)

   は、非課税とはされない(令30)。

 ○ 店舗が壊されたことにより受ける休業補償金を非課税としている。

  ⇒ 店舗が壊されて業務ができなかったとしてその収益の補償として受ける休業補償金は、事業所得の収入金額とされ、非課税とはされない。

    また、棚卸資産の損失による損害補償金も非課税とはされない(令30一、94)。

 

4 所得区分

 ○ 事業用運転資金の預金利子を事業所得の雑収入としている。

  ⇒ 事業用の預金であっても、利子所得となる(法23)。

 ○ 事業用車両の売却(下取り)損を事業所得の必要経費としている。

  ⇒ 事業用の資産であっても、棚卸資産でないので譲渡所得となる(法33)。

 ○ 2か所から給与の支払を受けている人が、乙欄分を雑所得としている。

  ⇒ 第1義的には、「給与の源泉徴収票」に記載されているものは、給与所得となる(法226、規95、規別表6(1))。

 ○ 互助年金を給与所得としている。

  ⇒ 公的年金等以外の年金として雑所得となる(法35)。

 ○ 外交員報酬を給与所得としている。

  ⇒ 外交員報酬は、通常、事業所得となる。第1義的には、「報酬料金等の支払調書」に記載されているものは、

   事業所得として判断する(法225、規91、規別表5(1))。

 ○ 受け取った立退料をすべて一時所得としている。

  ⇒ 立退料のうち、①借家権の消滅部分は譲渡所得(事例は少ない)、②休業補償部分は事業所得等、

    ③その他は一時所得となる(令94、95、基通33-6、34-1(7))。

 

5 各種所得金額の計算

 1 配当所得

  ○ 生命保険及び長期損害保険の契約者配当金や割戻金を配当所得の収入に含めている。

   ⇒ 生命保険等の契約者配当金や割戻金は、生命保険料控除、損害保険料控除を計算する際に差し引き、

    所得として認定しない(法24、76、77)。

  ○ 人格のない社団等から受ける収益の分配金を配当所得としている。

   ⇒ 配当所得は、法人(人格のない社団等を除く。)から受ける利益の配当、剰余金の分配などに限られ、

    人格のない社団等から受ける収益の分配金は雑所得とされる(法24①、基通35-1(7))。

    (注) 人格のない社団等の解散により受ける清算分配金や脱退により受ける持分の払戻金は、一時所得とされる(基通34-1(6))。

  ○ 1銘柄1回の配当金額が25万円以上のものについて、源泉分離課税を選択している。

   ⇒ 源泉分離課税を選択できる株式等の配当所得は、1銘柄につき1回に支払いを受けるべき配当金額が25万円

(年1回決算のものは50万円)未満のものに限られる(措法8の5①二)。

    (注) 1銘柄の所有株式数がその内国法人の発行済株式総数の5%以上である者も源泉分離課税は選択できない(措法8の5①一)。

  ○ 1銘柄1回の配当金額が5万円を超えるものについて、確定申告不要としている。

   ⇒ 確定申告不要制度の対象となる少額配当は、1銘柄につき1回に支払を受けるべき配当金額(源泉徴収前)が5万円

(年1回決算のものは10万円)以下のものに限られる(措法8の6①)。

  ○ 譲渡した株式に係る負債利子を配当所得から控除している。

   ⇒ 株式を譲渡した場合には、その株式に係る配当所得の金額の計算上、当該株式を取得するために要した負債利子

は控除されない(法24②、措法37の10⑩二)。

  ○ 配当所得の収入金額を源泉徴収後の金額で計算している。

   ⇒ 配当所得の収入金額は手取額と源泉徴収税額の合計額である。(手取額÷0.8~0.9=配当所得の収入金額)

 

 2 不動産所得

  ○ 敷金のうち償却相当額(返還しない部分)を収入に計上していない。

   ⇒ 返還しないこととなる敷金は、その返還しないことが確定した年分の収入となる(基通36-7)。

  ○ 共有物件を賃貸している場合、各人の持分割合によって按分していない。

   ⇒ 各人の持分割合により、収入、経費をあん分する。

  ○ 家賃の金額をめぐる係争に係る供託金を収入に計上していない。

   ⇒ 契約の在否の係争に係る供託金は判決等のあるまで収入に計上しなくてよいが、金額の係争に係る供託金は、

    各年の収入となる(基通36-5)。

  ○ 事業的規模の貸付けを行っていないのに、建物の取壊損失を全額必要経費に算入し、赤字申告をしている。

   ⇒ 事業的規模でないものの資産損失は、損失を控除する前の所得を限度として必要経費に算入される(法51④)。

  ○ アパートを一括貸付けをしている場合、10室以上あっても事業的規模として取り扱っていない。

   ⇒ 建物の規模が形式基準(5棟,10室)を満たしていれば、一括貸付けであるかどうかにかかわらず、特に反証がない限り、

    事業的規模となる(基通26-9)。

  ○ アパートが2人以上の共有とされている場合、共有持分であん分した後で、貸付けの規模を判定している。

   ⇒ 不動産が2以上の者の共有とされている場合は、当該不動産の全体の貸付けの規模で判定する。

  ○ 事業的規模の貸付けを行っていないのに、専従者給与(又は控除)及び55万円(又は45万円)の青色申告持別控除を適用している。

   ⇒ 専従者給与(又は控除)及び55万円(又は45万円)の青色申告特別控除額は、事業的規模の貸付けの場合にしか控除

    (適用)されない(法57、措法25の2③)。

  ○ 貸室8室と貸地10件がある場合、事業的規模かどうかの判定を貸室のみでしている。

   ⇒ 1室の貸付けに相当する土地の貸付件数を「おおむね5」として判定する。

  ○ 優良賃貸住宅の割増償却の適用に当たって、

   ① 6年目も適用している。

   ② 割増償却額にさらに普通償却額を加算し、過大償却をしている。

   ③ 事業用資産の買換えの特例の適用を受けて取得した家屋についても割増償却をしている。

   ④ 店舗、事務所部分についても割増償却をしている。

    (a) 割増償却の適用が認められる期間は、その貸家の用に供した日以降5年間(正味60か月)である(措法14①)。

    (b) 割増償却は普通償却に代えて適用される(措法14①)。

    (c) 譲渡所得の金額の計算上、代替資産、買換資産又は交換資産とされた家屋については、割増償却は適用されない

(措法33の6②、37の3③、 37の4、37の5④、37の9の2⑤)。

  ○ 事業税が課されている不動産貸付けであるにもかかわらず、事業税を必要経費に算入していない。

   ⇒ 後日、更正の請求をすることができるが、申告段階で控除するのを忘れないように留意する必要がある。

  ○ 新たにアパート経営を行う者が、使用開始前の期間に対応する借入金利子を必要経費に算入している。

   ⇒ 使用開始前の期間に対応する借入金利子は、取得価額に算入される(基通38-8)。

 

 3 事業、不動産所得共通事項

  (1) 収入金額

     ○ 弁護士の着手金や歯科医の歯列矯正料を前受収入としている。

      ⇒ 人的役務の提供が完了していなくても、人的役務の提供の程度に応じて収入する等の特約又は慣習がある場合には、

        その特約又は慣習による収入時期により計上する必要がある(基通36-8(5))。

       (注) 原則として弁護士の着手金は受任した時、歯科医の歯列矯正料は矯正装置を装着した時に収受する。

     ○ 社会保険診療報酬(窓口収入以外)を、支払基金から振込があったときに収入に計上している。

      ⇒ 診療報酬は、診療を行ったときに収入計上するのが原則であるが、実務上、例えば、12月分の診療報酬を翌年1月10日

        に支払基金に請求した場合、12月分の診療報酬は12月末に一括して収入計上することが認められている。

     ○ 棚卸資産を知人に低廉譲渡した場合、実質的に贈与したと認められる金額を収入金額に加算していない。

      ⇒ 棚卸資産を著しく低い金額で譲渡した場合には、「通常の販売価格×(おおむね)70%-譲渡価額」が実質的に贈与したと

        認められる金額として収入金額に加算される(法40①二、基通40-2、40-3)。

     ○ 自家労賃(自己又は扶養親族等に提供した役務)を自家消費の取扱い(基通39-1)と同様に考え、収入金額に加算している。

      ⇒ 自家消費は、売上原価が一括して差し引かれるため収入計上する必要があるが、自家労賃は収入計上する必要がない。

       (注) 大工が自宅を建築する場合など材料費、外注費等を一括して必要経費にしている場合は、自宅に係る材料費、

          外注等を収入計上する。

     ○ 税込経理方式を適用している者が還付を受けた消費税等を雑収入に計上していない。

      ⇒ 消費税等の申告書を提出した日(未収入金に計上した場合は、未収金に計上した日)の属する年の所得の雑収入

        に計上する(平元.3.29直所3-8「8」)。

     ○ 税抜経理方式を適用している者が仮払消費税等の金額と仮受消費税等の金額の差額と納付する(還付される)消費税等

       との差額を消費税等の申告書を提出した日の属する年の雑収入(必要経費)に算入している。

      ⇒ 差額を、その課税期間に対応する年の雑収入(必要経費)に算入する(平元.3.29直所3-8「8」)。

  (2) 家事費等

     ○ 店舗併用住宅の住宅部分等に係る費用をすべて必要経費に算入している(固定資産税、水道光熱費、損害保険料、

      借入金利子、減価償却費等をあん分して計算していない。)。

      ⇒ 業務以外の部分については、家事費として必要経費に算入されない(法45)。

     ○ 私的な飲食費やゴルフのプレー代を必要経費に算入している。

      ⇒ 接待交際費は、その支出が専ら事業の遂行上必要なものに限られ、目的、相手方、金額等からみて、家事費と認められる

       場合には必要経費に算入されない(法37①、45①一)。

     ○ ゴルフ会員権の取得のための借入金利子を必要経費に算入している。

      ⇒ ゴルフ会員権は事業用資産とは認められないため、それを取得するための借入金に係る借入金利子は、

       必要経費に算入できない(法45、令96)。

     ○ 所得補償保険の保険料を、事業所得の必要経費としている。

      ⇒ 事業主が自己を被保険者として支払う所得補償保険の保険料は、必要経費にならない。保険金を受取った場合には、

       非課税所得とされる(基通9-22)。

     ○ 青色事業専従者に掛けた定期保険の保険料を他に従業員がいないにもかかわらず必要経費に算入している。

      ⇒ 他に使用人がおり、その使用人と同一基準でなされている場合に限って必要経費に算入することができる

       (昭48.12.22直審3-142)。

     ○ 外国の所得税について、必要経費に算入することはできないと考えている。

      ⇒ 外国所得税額がある場合には、その年中に確定したすべての外国所得税額について、外国税額控除か必要経費

       に算入するかの選択をすることになる(法46、基通46-1)。

  (3) 損害保険料

     ○ 農協の建物共済、長期総合保険などで積立部分のある損害保険料を全額必要経費に算入している。

      ⇒ 積立部分の保険料は資産計上し、積立以外の部分が必要経費となる(基通36・37共18の2)。

  (4) 減価償却費

     ○ 事業用資産の買換え等により取得価額の引継ぎが行われているのに、実際の取得価額を基に償却している。

      ⇒ 事業用資産の買換えの特例の適用を受けた場合の買換資産の取得価額(D)は、次の算式により計上した金額

        とされる(措法37の3①、措令25の2)。

       〔80%の課税の繰延べが行われる場合〕

 

                   C×80%

       イ A>Cの場合  B×-----+C×20%=D

                     A

 

       ロ A<Cの場合  B×80%+C-A×80%=D

 

       ハ A=Cの場合  B×80%+A×20%=D

 

       (注) A:譲渡収入金額 B:譲渡資産の取得費等の金額 C:買換資産の取得価額

 

     ○ 定率法の届出をせずに定率法を適用している。

      ⇒ 法人税とは異なり、所得税の場合には、届出がなければ定額法となる(法49、令125)。

 

      (参考) 省略

 

     ○ 償却可能限度額を超えて償却している。

      ⇒ 通常の資産は、取得価額の95%までしか償却できないが、坑道及び無形減価償却資産は全額、鉄骨鉄筋コンクリート造

       等の建物、構築物又は装置は、取得価額の95%を償却した後について、取得価額の5%から1円を控除した額に達するまで

       償却できる(令134)。

     ○ 店舗併用住宅の場合、未償却残高を計算する際、「取得価額-必要経費算入額」としている。

      ⇒ 「取得価額-自宅部分も含めたその年分までの減価償却費の累計額」となる。

        また、償却可能限度額は、「取得価額×事業専用割合×95%」となる。

       (注) 非業務用(家事使用等)から業務に使用した建物等の未償却残高は、法38、令85の計算を準用する。

     ○ 建物に係る資本的支出の耐用年数を建物等本体の耐用年数としていない。

      ⇒ 建物に資本的支出を加えた場合には、建物本体の耐用年数により償却する(耐通1-1-2)。

       なお、資本的支出があった年は、建物に加算せず、資本的支出のみを期間あん分して償却する。

     ○ 建物の付属設備を建物本体と一括して建物の耐用年数を適用している。

      ⇒ 建物の付属設備を建物本体と区分せずに建物の耐用年数を適用できるのは、木造、合成樹脂造または、

       木骨モルタル造の建物の付属設備に限られる(耐通2-2-1)。

     ○ 年の途中で業務の用に供した備品等の減価償却費の計算を、2分の1の簡便償却により償却している。

      ⇒ 平成10年分以後は、2分の1簡便償却による減価償却費の計算をすることはできず、月数あん分により計算することとなる。

     ○ 1個の取得価額が10万円未満のレンタルビデオテープを一括して減価償却資産として計上して償却している。

      ⇒ 1個又は1組の取得価額が10万円未満(平成10年分以前は20万円)である減価償却資産については、

       一括必要経費に算入される(令138)。(注) 資産の取得なので繰延資産(開業費)にも該当しない(令7①)。

     ○ 税込経理方式を適用している者が、税抜価額を減価償却資産の取得価額として少額減価償却資産の判定をしている。

      ⇒ 税込経理方式を適用している者は、減価償却資産の取得価額は、税込の価額によることとなる(平元.3.29直所3-8「9」)。

     ○ 見積法により算定していた中古建物の耐用年数について、建物の耐用年数が改正されたため、

      再度見積りした新しい耐用年数で減価償却費を計算している。

      ⇒ 中古資産の耐用年数を簡便法(耐用年数省令3①二)により算定している場合には、改正後の法定耐用年数

        を基礎とする簡便法により再計算(ただし、初年度に限る。)することができる(耐通1-5-7)が、当初、見積法を適用

        している場合は再計算をすることができない。ただし、改正後の法定耐用年数が従来適用していた見積法により算定した

        耐用年数より短いときに限って、改正後の法定耐用年数を適用することができる(耐通1-7-2)。

     ○ 相続によって取得した減価償却資産の償却を、届出をせずに被相続人が選択していた定率法によって計算している。

      ⇒ 取得価額、帳簿価額、耐用年数は引き継ぐ(法60①、令126②)が、償却方法については、引き継ぐ規定はない。

        したがって、新たな業務開始として届出が必要である(令123①、②)。

        なお、平成10年4月1日以後においては、相続により取得した建物については、定額法のみの適用となる(令123③)。

     ○ 平成12年中に購入した取得価額10万円以上20万円未満の器具備品等について、一括償却資産として申告したが、

      平成13年中に、その一部を除却したので、一括償却資産について再計算して申告している。

      ⇒ 一括償却資産とした年以降に、その全部又は一部を滅失、除却等をしても再計算をすることはできず、

       業務の用に供した日以後3年間にわたって、その取得価額3分の1に相当する金額を必要経費に算入することとなる

       (令139、基通49-40の2)。

  (5) 専従者控除(給与)

     ○ 6か月を超える期間、事業に専従していないのに事業専従者(白色)としている。

      ⇒ 事業専従者(白色)の要件として、「その年を通じて6か月を超える期間、事業に専ら従事していること」が必要であり、

       青色申告者の場合のような例外(従事できる期間の2分の1を超える期間専ら従事)はない(令165①)。

     ○ 専従者が他に職業を有しており、専従できない状況にあるのに、専従者控除をしている。

      ⇒ 他に職業を有する者は、専従することが妨げられないと認められる場合を除き、専従者となれない(令165②二)。

     ○ 専従者給与の変更の届出をしないで、届出額より高額な専従者給与を支払っている。

      ⇒ 届出書に記載した金額を超えて支給する場合には、変更の届出が必要である(規36の4②)。

     ○ 白色の場合、所得が少ないのに一律1人50万円(配偶者は86万円)の専従者控除をしている。

      ⇒ 専従者控除額は、次のいずれか低い金額である(法57③)。

       ① 50万円(配偶者は86万円)

       ② 専従者控除前の所得金額÷(専従者数+1)

  (6) 修繕費

     ○ 明らかに資本的支出とされるのに、修繕費として一括して必要経費に算入している。

      ⇒ 修繕費のうち、明らかに資本的支出とされるものは減価償却費の対象とされ、一括して必要経費に算入できない。

        また、資本的支出であるかどうか明らかでないものは、形式基準を参考に区分する(基通37-10以下)。

 

  (7) 繰延資産の償却

     ○ 繰延資産となる費用を分割して支払っているのに、総額を繰延資産として償却している。

      ⇒ 3年超にわたって分割して支払う令7①四に掲げる繰延資産は、たとえ総額が確定しているときであっても総額について

       償却することはできない

       (基通50-5)。

       (例) 繰延資産となるべき費用の総額      100万円

           5年にわたって毎年支払う金額       20万円

           償却期間5年の場合には、

           1年目の償却      20万円×1/5= 4万円

           2  〃        40万円×1/5= 8万円

           3  〃        60万円×1/5=12万円

           4  〃        80万円×1/5=16万円

           5~7〃       100万円×1/5=20万円

     ○ 共同的施設のために支出する費用を随時償却している。

      ⇒ 繰延資産の償却期間は、基通50-3表に掲げられている。

     ○ 借地権の更新料を繰延資産として償却している。

      ⇒ 建物を賃借するための権利金等は繰延資産とされる(基通2-27)が、借地権存続期間を更新するために支払った更新料

       は繰延資産とはされず、次の算式によって計算した金額が必要経費に算入される(令182)。

 

                D

       (A+B-C)×--- = 借地権の取得費の必要経費算入額

                E

 

              A:借地権の取得費

              B:更新前に支出した改良費

              C:取得費のうち前回までに必要経費に算入した額

              D:借地権の更新料

              E:借地権の更新時の価額

 

     ○ 事業資金を借り入れる際に信用保証協会に支払った保証料を全額一時に必要経費に算入している。

      ⇒ 前払費用又は繰延資産として経理し、保証期間にわたって必要経費に算入する(令7)。

 

  (8) 借入金利子

     ○ 事業所得を有する者が借入金によりアパートを取得した場合アパートの賃貸業を開始する前に係る借入金の利子

       を不動産所得の必要経費に算入している。

      ⇒ 従来の業務と所得区分の異なる業務を開始した場合には、当該業務の用に供する資産の取得に係る借入金利子

        のうち業務を開始するまでの期間に対応する借入金利子は当該資産の取得価額に算入することとなる(所基37-27(注))。

  (9) 貸倒損失

     ○ 現金主義を選択していながら、貸倒損失を計上している。

      ⇒ 未収分は収入に計上していないので、貸倒損失は計上できない。

  (10) 資産損失

      ○ 居住用建物を取り壊して、業務用建物に建て替えた場合の、居住用建物の取り壊しによる損失及び取壊し費用を

        必要経費に算入している。

       ⇒ 非業務用資産の資産損失及び取壊し費用は、自己の財産の任意の処分と解され、必要経費に算入することはできない。

         また、新しく建てられる業務用建物の取得価額にも算入できない。

  (11) 青色申告承認申請

      ○ 従前から不動産貸付業を営んでいる者が、本年の7月に事業所得を生ずべき事業を開始した場合に、その開始した日から

        2か月以内に青色申告承認申請書を提出したとして、本年分から青色申告が認められるとした。

       ⇒ 「新たに業務を開始した場合」とは、青色申告の承認を受けることができる業務のいずれも営んでいない者が、

         いずれかの業務を開始した場合をいうのであって、既に青色承認申請を行うことができる不動産所得等を生ずべき

         業務を行っている場合は含まれない(法143、144)。

  (12) 青色申告特別控除

      ○ 貸借対照表の提出がないのに、55万円(又は45万円)の青色申告特別控除を適用している。

       ⇒ 55万円(又は45万円)の青色申告持別控除額を適用するには、申告書に貸借対照表、損益計算書を添付し、

         その控除を受ける旨を記載して確定申告期限内に提出しなければならない(措法25の2③⑤)。

      ○ 不動産所得が事業として行われていないのに、55万円(又は45万円)の青色申告特別控除を適用している。

       ⇒ 不動産所得が事業として行われていない場合は、最高10万円の青色申告特別控除を適用する(措法25の2①)。

      ○ 期限後申告書を提出したのに、55万円(又は45万円)の青色申告特別控除を適用している。

       ⇒ 55万円(又は45万円)の青色申告特別控除は期限内に申告書等が提出されることが必要である(措法25の2⑤)。

  (13) 家内労働者等の特例

      ○ 自宅で生徒数人を教えているピアノ講師が家内労働者の特例を適用している。

       ⇒ 特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者に当たらない。

        (注) ヤマハやカワイの講師は該当する。

  (14) 措法26条関係

      ○ 社会保険診療報酬の金額が4,500万円及び自由診療収入の金額が1,000万円、合計5,500万円の年について、

       措法26条の適用はないと考えている。

       ⇒ 措法26条の適用がないのは、社会保険診療報酬の金額が5,000万円を超える年についてである(措法26①)。

      ○ 社会保険診療に係る患者負担金を収受していない場合、患者負担金を除いたところで租税特別措置法26条を適用している。

       ⇒ 収受しないこととしている患者負担金については、社会保険診療報酬の収入金額に計上して租税特別措置法26条を適用する。

         この場合、この患者負担金は、社会保険診療報酬に係る必要経費に計上することとされる。

 

 4 給与所得

  ○ 請負による報酬を給与所得として申告している。

   ⇒ 一般的には、雇用契約に基づく収入は給与所得、請負契約に基づく収入は事業所得とされる。

    (注) 弁護士の顧問料は、定期・定額で受領する場合でも、本来の弁護士業務の一部として事業所得とされる場合が多い。

       また、マネキンの報酬でも、デパート等の職員の勤務状態に類似している者は給与所得として取り扱われる場合がある(昭58直所3-7)。

  ○ 給与所得者が受ける引抜料や支度金(契約金)を給与所得としている。

   ⇒ 役務の提供の対価が給与等とされる者がその役務の提供契約を締結するに際して支払を受ける契約金は、

     雑所得とされる(基通35-1(10)、204-29)。

  ○ 役員又は従業員が使用者から受ける渡切交際費で精算不要のものを給与所得の収入に含めていない。

   ⇒ 使用者から支給された交際費で、使用者の業務のために使用したことの事績の明らかでないものは、給与所得の収入とされる(基通28-4)。

  ○ 2か所から給与を受け取っている場合にそれぞれの収入に給与所得控除を適用している。

   ⇒ 給与所得控除額は、給与収入の合計を基に計算する(法28②③)。

 

 5 退職所得

  ○ 5年定年制を採用して5年毎に退職金を支給し、その退職金を退職所得としている。

   ⇒ 従業員が引き続き勤務している場合には一定の打切支給を除き、退職手当等には含まれない(基通30-1)。

    (注) 退職の事実がなくても退職に準ずる事実が生じた場合や、打切支給をすることについて相当の理由がある場合には、

       その打切支給される退職金は退職所得とされる(基通30-2)。

  ○ 退職した翌年に退職金の支給を受けた場合、支給を受けた年分の退職所得としている。

   ⇒ 退職所得の収入時期は、原則としてその支給の基因となった退職日による。ただし、会社役員等の場合で、

    その支給について株主総会等の決議を要するものについては、その決議のあった日とされる(基通36-10)。

  ○ 同一年に2か所以上から退職金の支給を受けている場合、それぞれの勤務年数を基に退職所得控除の計算をしている。

   ⇒ それぞれの退職金の支給の基礎となった勤続期間のうち最も長い期間により勤続年数を計算する。

     ただし、最も長い期間以外の勤続期間のうち、その最も長い期間と重複していない期間がある場合には、

     その重複していない部分の期間が加算される(令69①三)。

 

 6 山林所得

  ○ 山林の林地の譲渡による所得を山林所得としている。

   ⇒ 林地の譲渡は、土地の譲渡であり譲渡所得(分離課税)とされる(法32①、33、基通32-2)。

    (注) 果樹園に栽培されている果樹は、山林とはいえないので、果樹園に栽培されている果樹の譲渡は、譲渡所得(総合課税)とされる。

 

 7 譲渡所得

  ○ 営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得を譲渡所得としている。

   ⇒ 棚卸資産、準棚卸資産その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は、

    事業所得又は雑所得とされる(法33②、令81)。

  ○ 法人に対する低額譲渡があった場合、その譲渡価格を譲渡収入として譲渡所得を計算している。

   ⇒ 法人に対する贈与や低額譲渡(時価の2分の1未満)があった場合には、時価により譲渡があったものとみなされる。

     なお、個人に対する低額譲渡があった場合には、譲渡価格が譲渡収入とされるが、譲渡損が発生した場合にはその譲渡損

     はなかったものとみなされる(法59、令169)。

  ○ 借家権を譲渡した場合の所得を分離課税の譲渡所得としている。

   ⇒ 分離課税とされるのは、土地、土地の上に存する権利、建物、建物附属設備、構築物を譲渡した場合に限られる(措法31①)。

    (注) 有価証券の譲渡による所得のうち、一定の株式等(土地保有会社等の株式)に係るものも分離課税(短期)とされる(措法32②)。

  ○ 株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得を20%の税率による申告分離課税としている。

   ⇒ 株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得は、株式等に係る譲渡所得等の基因となる株式等から除外されており(措法37の10③)、

     原則として、譲渡所得として総合課税される(所法33①)。

  ○ 株式等の譲渡に係る譲渡所得等の所得金額が「譲渡所得」である場合に証券会社に支払った管理費を控除している。

   ⇒ 株式等の譲渡による所得が譲渡所得である場合の株式等に係る譲渡所得等の金 額の計算は、

    その株式等の譲渡による総収入金額からその所得の基因となった株式等の取得費及びその株式等の譲渡に要した費用の額の

    合計額を控除することとされており(措法37の10⑩三、所法33③)、管理費はこの譲渡に要した費用に当たらない。

 

 8 一時所得

  ○ 生命保険の満期保険金を受け取った人が保険料負担者でない場合でも、その保険金を一時所得として申告している。

   ⇒ 保険金は、保険料負担者から贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象になる(相法5)。

 

  ○ 借家人が受ける立退料のうち、休業補償部分について一時所得として申告している。

   ⇒ 借家人が受ける立退料は、①借家権の消滅部分は譲渡所得、②休業補償部分は事業所得等、③その他は一時所得とされる

    (令94、95、基通33-6、34-1(7))。

  ○ 店舗に係る損害保険の満期保険金を事業所得の収入金額としている。

   ⇒ 損害保険約に基づき受け取る満期保険金は、被保険物が事業用資産であっても一時所得とされる(基通34-1(4))。

  ○ 国内の法人から株式等を取得する権利を与えられ、有利な発行金額で株式を取得した場合、時価との差額を一時所得としている。

   ⇒ 株主等としての地位に基づかないで法人から有利な発行価額による株式等を取締役又は従業員が取得する権利を与えられ行使

    した場合には、特定の取締役等が受ける新株の発行に係る経済的利益の非課税等の特例(いわゆるストック・オプション税制)

    に該当するものを除き、次の算式で計算した金額が原則として給与所得又は雑所得の収入金額とされる

   (措法29の2、令84一二、基通23~35共-6)。

 

    〔払込期日における新株等の時価〕-〔新株等の発行価格〕=新株等を取得する権利に係る所得の収入金額

 

     ただし、例えば株主等としての地位に基づかない縁故者割り当ての場合は、一時所得の収入金額となる(令84三)。

     なお、日本子会社の役員等が海外親会社から付与されたストック・オプションの行使に係る課税関係については、

     市場価格と行使価格との差額が成功報酬型給与と認められることから給与所得となる。

 

  ○ 一時払養老保険(源泉分離課税の対象とならないもの)の保険料を支払うために借り入れたひも付きの借入金の利子

    を必要経費に算入していない。

   ⇒ 満期返戻金に係る一時所得の計算上控除することができるのは保険料又は掛金及びこれらの支払いのための借入金

    でひも付き関係が明らかなものに限りその借入金利子を差し引くことができる(法34②,令183②)。

 

 9 雑所得

  ○ 還付加算金を受け取った場合、これを雑所得として申告していない。

   ⇒ 還付加算金は、還付される税金に対して付加される一種の利子であり、雑所得とされる(基通35-1(5))。

  ○ 過去に遡及して国民年金の支払を受けた場合、そのすべてについて支払を受けた年分の収入にしている。

   ⇒ 年金については、その支給の基礎となった法令に定められた支給日が収入すべき時期とされているため、

     前年分以前の期間に対応する年金が一括して支給されても、各年分ごとに区分して収入金額を計算する(基通36-14(1))。

  ○ 公的年金等以外の雑所得が赤字で、公的年金等の所得がある場合、その赤字を公的年金等の所得から差し引いていない。

   ⇒ 雑所得の金額は、次の算式により計算され、Bの赤字はAより差し引かれる(法35②)。

 

     雑所得=A+B

       A=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額

       B=公的年金等以外の総収入金額-必要経費

 

  ○ 公的年金等控除額を計算する際、65歳未満であるかどうかを公的年金等の支給日により判定している。

   ⇒ 年齢が65歳未満であるかどうかの判定は、その年の12月31日現在(年の中途で死亡し、又は出国する場合には、

     その死亡又は出国の時)の年齢による(法35⑤)。

 

6 損益通算

 (注) 申告書への記載の仕方については平成13年11月12日付所得税課情報第14号を参照して下さい。

 

 ○ 事業所得の赤字と一時所得又は総合長期譲渡所得とを通算する際、一時所得又は総合譲渡所得の金額を2分の1した後の金額

   より差し引いている。

  ⇒ 一時所得又は総合長期譲渡所得と通算する場合は、50万円特別控除後で、2分の1をする前の金額と通算する(法69①、令198三、法22②)。

 〇 事業所得の赤字と分離譲渡所得とを通算する際、特別控除後の分離譲渡所得より差し引いている。

  ⇒ 分離譲渡所得と通算する場合は、特別控除前の金額と通算する(措法31①⑤、32①④)。

 ○ 事業所得者の車両売却損(総合譲渡所得)を、分離譲渡所得があるのに事業所得から差し引いている。

  ⇒ 譲渡所得に係る損失は、譲渡所得グループ内で第一次通算を行なうことに留意する(法69、令198、措通31・32共-2~4)。

    したがって、車両売却損は、先に分離譲渡所得と通算される。

 ○ 主として保養の目的で所有する別荘の貸付けによる不動産所得の赤字を他の所得から差し引いている。

  ⇒ 主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有する不動産は、「生活に通常必要でない資産」に該当し、

    その損失は原則として損益通算の対象とはならない(法62、69②、令178、200)。

 ○ ゴルフ会員権を譲渡したことによる損失を、損益通算の対象としていない。

  ⇒ 所得税法上の「生活に通常必要でない資産」に掲げる動産や不動産に該当しないので、損益通算の対象となる(令178)。

    ただし、倒産したゴルフ会員権の下取りによる損失は、損益通算の対象とならな い。

 ○ 事業的規模の不動産所得が損失の場合に、その損失のうち土地等の取得に要した借入金の利子から生じた損失の部分

   を損益通算の対象としている。

  ⇒ 事業として不動産の貸付けを営む場合でも、不動産所得に係る損益通算の特例(措法41の4)の適用がある。

 〇 平成3年分以前に取得した土地等に係る借入金利子だからとして、その損失を損益通算の対象にしている。

  ⇒ 平成3年分以前に取得した土地等の借入金に係る利子であっても、特例の対象となり、その損失は損益通算の対象とならない(措41の4①)。

 ○ 土地等の取得に要した借入金の額を算定するに当たって、土地と建物を一括して購入した場合の建物の価額は、

   消費税等の額から合理的にその算定ができるのにもかからわず、合理的とは認められない、他の方法により建物の価額を算定している。

  ⇒ 通常の場合(消費税等の額÷5%+消費税等の額)を建物の価額とするのが合理的と考えられる。

 ○ 土地と建物を借入金で一括購入している場合、土地に対応する借入金のみを返済したとしている。

  ⇒ 借入金を土地分と建物分とに区分することができない場合は、次の算式による。

 

                           土地等を取得するために

    その年分の土地等を   その年分の建物と   要した負債の額

    取得するために要し = 土地等を取得する × -----------

    た負債の利子の額    ために要した負債   建物と土地等を取得する

                の利子        ために要した負債の額

 

7 所得控除

 1 雑損控除

  ○ 被害を受けた資産の損失額を原状回復費用から控除せず、全額災害関連費用として5万円超の部分を雑損控除している。

   ⇒ 原状回復費用から資産の損失額を控除した残りが災害関連費用となる(令206①二ロ)。

  ○ 被害を受けた資産の時価を算定する際、新品としての再取得価額を計上している。

   ⇒ 新品としての再取得価額により時価を算定する場合には、当該価額から減価相当分を控除しなければならない。

    例えば、非業務用資産の耐用年数(業務用の耐用年数×1.5)により償却費相当額を控除することが必要である。

  ○ 妻の所得が38万円を超えているのに、妻の資産の損失を夫の雑損控除の対象に含めている。

   ⇒ 妻の所得が基礎控除額(38万円)を超えている場合の妻の損失は、妻が雑損控除の適用を受けることになる(法72①、令205①)。

  ○ 貴金属等を雑損控除の対象に含めている。

   ⇒ 生活に通常必要でない資産は、雑損控除の対象から除かれる(法72①)。

    (注) 「生活に通常必要でない資産」とは、次の資産をいう(令178①)。

       ① 競走馬その他射こう的行為の手段となる動産

       ② 主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産

       ③ 生活の用に供する動産で次のもの

 

  ○ 詐欺まがいの商法による損害を、雑損控除の対象としている。

   ⇒ 雑損控除の対象となるのは、災害、盗難、横領に限られ、自分の意思の介入するものは対象外とされる。

 

 2 医療費控除

  ○ 生計を一にしていない親の入院費を子が支払った場合、その入院費を子の医療費控除の対象に含めている。

   ⇒ 医療費控除は、「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費」に限られる(法73①)。

  ○ 栄養剤、健康食品、ミルク代、謝金、見舞のお返しなど、明らかに医療費に該当しないものを医療費控除している。

   ⇒ 医療費控除の対象となる「医療費」の範囲は、法令、通達を拡大解釈しないことに留意する(法73、令207、基通73-3以下)。

  ○ 難聴のために購入した補聴器の費用を医療費控除の対象としている。

   ⇒ 義手、義足、松葉づえ、補聴器等の購入のための費用が医療費控除の対象となるのは、医師等の診療等を受けるために

    直接必要な場合に限られるので、医師等の診療等に関係なく補聴器を購入した場合には、医療費控除の対象とならない。

  ○ 薬局のレシートだけを添付し、内容が不明なものが多い。

   ⇒ レシートに薬品名を記載させるなどの指導が必要である。レシートナンバーより雑貨、化粧品と思われるものは当然に除外する。

  ○ 会社の健康保険組合等が発行した「医療費のお知らせ」を領収証として提出している。

   ⇒ 「医療費のお知らせ」は領収証とはみなされないので、医療費控除を受けるには医療費の領収証が必要となる。

  ○ 数年分の医療費を同じ年分で医療費控除の申告をしている。

   ⇒ 医療費控除の対象となる医療費は、各年においてその年中に支払った当該医療費の金額であるから、支払日により区分する。

    この場合、過年分は医療費控除以外で既に申告している場合もあるので二重申告とならないように留意する必要がある。

  〇 足切り限度額を控除していない。又は、控除していても単純に10万円を控除している。

   ⇒ 足切り限度額は、①10万円、②合計所得金額が200万円未満の場合はその5%相当額である(法73①)。

  ○ 出産育児一時金、高額療養費などの健康保険等により補てんされる金額があるのに控除していない。

   ⇒ 明らかに補てん金があると思われるものは、申告段階で未収のものであっても、見積りにより控除する(法73①、基通73-8以下)。

    なお、出産手当金、傷病手当金などの附加金は補てん金に該当しないので控除する必要はない。

    (注) 区役所から「お祝金」として支給されるもののなかにも、国民健康保険法に基づく給付補てん金に該当するものがあることに留意する。

  ○ 支払った医療費の額を上回る補てん金の額を他の医療費から差し引いている。

   ⇒ 補てんの対象となる医療費ごとに補てん金の差引き計算を行う。

 

 

 3 社会保険料控除

  ○ 医師年金又は歯科医師年金の掛金を社会保険料控除の対象に含めている。

   ⇒ 社会保険料控除の対象となるものは法令で限定されており、医師年金等は対象とならない(法74②)。

  ○ 控除対象配偶者である妻の年金から差し引かれた介護保険料を夫の社会保険料として計算した。

   ⇒ 社会保険料控除は、「居住者が、‥‥支払った場合又は給与から控除される場合‥‥」とされていることから、

    妻の年金から差し引かれた介護保険料を夫の社会保険料控除の対象とすることはできない(法74①)。

 

 4 小規模企業共済等掛金控除

  ○ 妻の小規模企業共済等掛金を夫の控除に含めて申告している。

   ⇒ 各人の申告の際、それぞれ各人の掛金を控除する(法75)。

 

 5 生命保険料控除

  ○ 一般の生命保険料控除の対象となるものを、年金を給付する定めがあるからということで個人年金保険料控除の対象としている。

   ⇒ 個人年金保険料控除(最高5万円)の対象となる生命保険料は、一定のものである。

    である(法76②④、令211、212)。

 

 6 損害保険料控除

  ○ 契約期間満了後満期返戻金のないものについて、長期の損害保険料として、15,000円を控除している。

   ⇒ 長期のものは、①満期返戻金の特約のある契約等、②保険期間等が10年以上のものの両方の要件を満たすものに限られる(法77①二)。

  ○ 自家用車にかけた(自賠責)損害保険を控除対象としている。

   ⇒ 生活に通常必要でない動産に対するものや、自賠責保険等は対象とならない(法77①)。

 

 7 寄付金控除

  〇 入学寄付金を寄付金控除の対象としている。

   ⇒ 入学1年目の年末までに支払った学校に対する寄付は、原則として寄付金控除の対象とならない(法78②、基通78-2)。

  ○ 財務大臣の指定がないのに、宗教法人に対する寄付を寄付金控除の対象としている。

   ⇒ 宗教法人に対する寄付は、国宝、重要文化財の保護の観点等から財務大臣が指定するものを除き、寄付金控除の対象とならない(法78②二)。

    (注) 財務大臣の指定は個人課税関係法規集Ⅰ(平成13年版327ページ以下)に掲載されているが、最終改正日以後の指定は

       掲載されていないので、寄付を受けた団体に問い合わせ(年月日、告示番号)、官報により確認すること。

  ○ 財団法人設立のための寄付金を寄付金控除の対象にしている。

   ⇒ 公益法人等の設立のためにする寄付については、財務大臣の指定のあるものに限って特定寄付金とされる。(法78②)。

     したがって、指定を受けていないものは寄付金控除の対象とならない。

  ○ 特定公益増進法人等の証明書や政治献金の場合の総務大臣等の確認書類が添付もれになっている。

   ⇒ 添付書類は、次の表を参考とすること(規47の2③)。

    (注) 特定公益増進法人等の証明書の様式は個人課税関係法規集Ⅰ(平成13年版352ページ)参照のこと。

  ○ アメリカで発生した災害等の被災者等の救援のために、直接米国赤十字社に対して支出した寄付金を寄付金控除の対象としている。

   ⇒ 米国赤十字社は、所得税法上の特定公益増進法人に該当しないので、寄付金控除の対象とならない(法78②)。

 

  ○ 地方公共団体に土地を寄付した場合、土地の価額(時価)をすべて寄付金控除の対象としている。

   ⇒ 地方公共団体に土地を無償で譲渡する場合には、みなし譲渡所得が発生する(法59①二)が、措法40条

    (国等に対して財産を寄付した場合の譲渡所得等の非課税)の特例の適用を受ける場合には、譲渡益相当額は寄付金控除の対象とは

    ならない(措法40⑤)。

  ○ 寄付した者に特別の利益が及ぶと認められる寄付金を寄付金控除の対象としている。

   ⇒ 実質的に寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものは寄付金控除の対象とならない(措法41の17①)。

     「特別の利益が及ぶ」場合とは、例えば、政治家が自己の資金管理団体や支持又は推薦を受けている政治団体に寄付する場合

     (他の政治家とお互いに相手方の政治団体に寄付をし合う場合も含む。)をいう。

 

 8 老年者控除

  ○ 新たに65歳となった者について、前年の申告書控を見ながら本年分申告書を記載したため、老年者控除もれになっている。

   ⇒ 平成13年分の申告では、昭和12年1月1日までに生まれた人が該当する。

  ○ 本人ではなく、扶養親族が65歳以上の場合に老年者控除をしている。

   ⇒ 老年者控除は納税者本人が65歳以上の場合に対象となる(法2①三十)。なお、老人の扶養控除は親族が70歳以上

     の場合に対象となる(法2①三十四の三)。ただし、それぞれ所得金額の要件があることに留意する。

  ○ 所得が1,000万円を超えている者が老年者控除をしている。

   ⇒ 老年者とは合計所得金額が1,000万円以下の者とされ(法2①三十)、分離譲渡所得がある場合には特別控除前で判定する

    (措法28の4⑤、31①⑤、32①④)。

 

 9 寡婦(夫)控除

  ○ 老年者に該当するものが寡婦控除をしている。

   ⇒ 寡婦(夫)とは、老年者に該当しない者をいい、重複適用されることはない(法2①三十一、三十一の二)。

  ○ 死別で扶養親族のいない寡婦が、本年の所得は500万円を超えているのに寡婦控除をしている。

   ⇒ 死別で扶養親族のいない寡婦は、合計所得金額が500万円を超えると、寡婦控除は適用されない(法2①三十一)。

  ○ 昨年まで寡婦控除の適用を受けている者(離婚で扶養親族あり)が、本年は扶養親族がいなくなったのに寡婦控除している。

   ⇒ 離婚で扶養親族等のいない者は、寡婦控除は適用されない(法2①三十一、令11②)。

  ○ 子供ではなく両親を扶養している者が寡夫控除をしている。

   ⇒ 寡婦と異なり寡夫の場合には、生計を一にする所得が基礎控除額(38万円)以下の子を有することが条件である

    (法2①三十一の二、令11の2②)。

  ○ 当初申告において、夫と死別したことにより、特定の寡婦控除(35万円)の適用を受けていたが、扶養親族としていた子に38万円

    を超える所得があったことから扶養控除金額なしと修正申告したが、特定の寡婦控除をそのまま適用していた。

   ⇒ 本事例の場合は、一般の寡婦控除(27万円、合計所得金額が500万円以下の場合)に是正する必要がある(措法41の16①)。

 

(注1) 子は、他の者の控除対象配偶者又は扶養親族とされていない者に限られます。

(注2) 「総所得金額等」とは、純損失又は雑損失の繰越控除後の総所得金額等の合計額(分離の譲渡所得金額がある場合は、

    特別控除前の金額で判定します。)をいい、「合計所得金額」とは、純損失又は雑損失の繰越控除前の総所得金額等の合

    計額(分離の譲渡所得金額がある場合は、特別控除前の金額です。)をいいます。

 

 10 障害者控除

  〇 厚生大臣の認定を受けていない者で、被爆者健康手帳のみで障害者控除をしている。

   ⇒ 被爆者健康手帳の交付を受けている者のうち、厚生大臣の認定を受けている者が障害者となる。

  〇 寝たきり老人等について独自の判断により障害者控除を適用している。

   ⇒  「寝たきり老人」については、民生委員、福祉事務所長等からの証明等、また「精神上の障害により事理を弁識する能力

     を欠く常況にある人」については医師の診断書、手帳の交付申請書又は次に揚げる各種手帳等により客観的に判断する。

┌--------------------------------------┐

|療育手帳|A-特別障害者|愛の手帳                 |1、2度-特別障害者|

|      |B-障害者   |(注)東京都が交付している。     |3度以上-障害者  |

└--------------------------------------┘

 

 11 配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除

  ○ 事業専従者を配偶者(又は扶養)控除の対象としている。

   ⇒ 青色申告者の配偶者(又は親族)で青色事業専従者に該当し給料の支払を受ける人や白色申告者の配偶者(又は親族)で

    事業専従者に該当する者は、控除対象配偶者(又は扶養親族)には該当しない(法2①三十三、三十四)。

  ○ 内縁関係者についても配偶者控除をしている。

   ⇒ 婚姻届出をした民法上の配偶者でなければ、配偶者控除は適用されない。

  ○ 所得制限の判定に当たって、分離譲渡所得を特別控除後の所得により判定している。

   ⇒ 分離譲渡所得がある場合には、特別控除前で判定する(措法31①⑤、32①④)。

  ○ 所得制限の判定に当たって、純損失(雑損失)の繰越控除後の所得により判定している。

   ⇒ 純損失(雑損失)の繰越控除がある場合には、繰越控除前で判定する(法2①三十、三十三)。

 

  ○ 老人扶養親族(又は老人控除対象配偶者)に該当するかどうかを年齢65歳で判断している。

   ⇒ 老年者の場合と異なり、年齢70歳以上かどうかで判断する(法2①三十三の二)。

     なお、平成13年度分の申告では、昭和7年1月1日までに生まれた者が該当する。

  ○ 非居住者を扶養親族とする場合に、国外源泉所得を含めて、38万円以下かどうかを判定している。

   ⇒ 非居住者の場合、合計所得金額は、総合課税の対象となる国内源泉所得をいうので、国外源泉所得や分離課税とされる所得は、

     合計所得金額に含まれない(法2①、22、165)。

  ○ 老人ホームに入居している者を同居老親等としている。

   ⇒ 老人ホーム等の施設に入居している者は、同居しているとはいえない。なお、病気治療のため病院に入院している者は

    同居しているものとして取り扱っている。

  ○ 扶養控除額は扶養親族の状況によって異なるため誤りが多い。

   ⇒ 扶養控除額は次8種類に区分される。

 

8 税額計算等の特例

 1 変動、臨時所得の平均課税

  ○ さし絵、イラストの報酬は変動所得に該当しないのに変動所得として申告している。

   ⇒ 変動所得とされる原稿、作曲の報酬に係る所得には、さし絵、イラスト等の報酬は含まれない(令7の2)。ただし、イラスト集等の印税は含まれる。

  ○ 前年分及び前々年分の変動所得の金額は、前年及び前々年において平均課税の適用を受けたかどうかを問わないのにもかかわらず、

    平均課税の適用を受けていなかったことを理由に本年の変動所得の金額をそのまま平均課税の対象にしている。

   ⇒ 前年及び前々年分の変動所得については、前年及び前々年において申告されたか、又は、平均課税の適用を受けたかどうかを問わず、

     本年分の変動所得については前年及び前々年の変動所得の平均額を超える部分が平均課税の対象となる(法90③)。

  ○ 適用判定の金額基準は総所得金額の20%以上であるにもかかわらず、各種所得の金額の20%以上で判定している。

   ⇒ 例えば、不動産所得の金額200万円(うち変動・臨時所得70万円)、給与所得の金額600万円の場合には、

    70万円<(800万円×20%)となり、平均課税の適用はない(法90①)。

 

 2 分離譲渡所得

  ○ 修正申告をする場合、総所得金額の増加に伴い分離譲渡所得に対する税額が増加するのに、そのままにしている。

   ⇒ 譲渡所得の金額が増えなくても、総所得金額の増加に伴い、譲渡所得に対する税額も増加する場合がある。

    (参考) 分離短期譲渡所得金額に対する税額計算(通常の場合)短期譲渡所得に対する税額は、次のイかロのいずれか多い方の金額で

        ある。

        イ (課税短期譲渡所得金額)×40%

        ロ 総合課税の方法で計算した場合の課税短期譲渡所得に対する税額の

         110%に当たる金額として次のように計算した金額

 

          /                        \

    /課税総\ |/課税短期\ /総合課税の譲渡所得の金額の計算\|

    |所得金|+||譲渡所得|-|上控除しきれない譲渡所得の特別||=(a)

    \額  / |\金額  / \控除額(50万円)控除不足額 /|

          \                        /

 

     /                            \

     |/(a)を課税所得金額\                |

     |\とみなして求めた税額/-〔課税総所得金額に対する税額〕|×110%

     \                            /

 

9 税額控除

 1 配当控除

  ○ 所得控除後の課税総所得金額が1,000万円を超えているにもかかわらず、全部10%で計算している。

   ⇒ 配当所得の金額のうち、課税総所得金額から1,000万円を差し引いた金額までは5%の配当控除になる(法92①)。

     なお、私募証券投資信託の収益の分配については5%又は2.5%、一般外貨建証券投資信託の収益の分配については

     2.5%又は1.25%に控除率が異なることに留意する。

 

   (参考) 省略

 

  ○ 課税総所得金額を総所得金額と勘違いして計算している。

   ⇒ 所得控除後の課税総所得金額が1,000万円を超えるかどうかにより配当控除の計算が異なる(法92①)。

  ○ 外国法人からの配当所得について配当控除を適用している。

   ⇒ 配当控除の対象となる配当は外国法人から受け取るものを除くとされている(法92①カッコ書)。

 

 

  ○ 配当控除を配当所得の金額ではなく配当所得の収入金額に対して適用して計算している。

   ⇒ 配当控除が適用されるのは、配当の収入金額に対してではなく負債利子を差し引いた後の配当所得金額に対して適用される(法92①)。

  ○ 配当控除の計算をする際の課税総所得が1,000万円を超えているかどうかの判断において分離課税の所得金額を除外して計算している。

   ⇒ 配当控除の計算の際の課税総所得金額には分離の土地等に係る課税事業所得の金額

    (平成10年1月1日から平成15年12月31日までは適用ありません。)及び課税譲渡所得金額が含まれる

    (措法28の4⑤三⑥、31⑤三、32④、37の10⑩六)。

  ○ 少額配当であるため所得には加算していないにもかかわらず、税額計算においては配当控除と源泉税を差し引いて計算している。

   ⇒ 申告しないことを選択した場合、その少額配当に係る配当控除と源泉税を差し引くことはできない。

 

 2 住宅借入金等特別控除

  ○ 非居住者期間に家屋を取得したにもかかわらず、その後居住者となり6か月以内に入居したことから住宅借入金等特別控除の適用を受けている。

   ⇒ 住宅借入金等特別控除は、居住者が取得した場合に適用されるのであり、非居住者期間に家屋を取得した場合には、

    その他の要件を満たしても本特例を適用することはできない(措法41①)。

  ○ 相続により住宅とその住宅に係る借入金を承継した場合に、住宅借入金等特別控除の適用をしている。

   ⇒ 相続により住宅を取得するとともに借入金を承継しても、その借入金は相続による債務の承継であり住宅を取得するための

    借入金ではない(措法41)。

  ○ 生計を一にする父から、父が居住する住宅を購入し、この住宅について住宅借入金等特別控除の適用を受けている。

   ⇒ 既存住宅を取得する時においてその取得をする者と生計を一にしており、その取得後においても引き続き生計を一にする親族等

    からの既存住宅の取得は対象とならない(措法41①、措令26③)。

  ○ 住宅借入金等特別控除を受けている者が、転勤になり家族とともに赴任し、2年後にもとの住宅に戻ってくる予定の場合に、

   転勤後も引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けている。

   ⇒ 住宅借入金等特別控除の要件は、家屋の取得等の日から控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住の用に供していることが

    必要とされている(措法41①)。したがって、2年後もとの住宅に居住する予定であっても、引き続き居住していることにはならないから、

    転勤の年以後住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。

  ○ 床面積にベランダ、バルコニーを含めて計算している。

   ⇒ 床面積は登記簿の面積による(措通41-8)。

  ○ 居住年の前年に、居住用財産の3,000万円の特別控除(措法35)の適用を受けているのに、居住年について住宅借入金等特別控除

   の適用を受けている。

   ⇒ 住宅借入金等特別控除は、居住年又は居住年の前年若しくは前々年に居住用財産の軽減税率の特例(措法31の3)、

    居住用財産の3,000万円の特別控除(措法35)、居住用財産の買換え・交換の特例(措法36の2、36の5、36の6)、

    中高層耐火建築物等の建設のための買換え・交換の特例(措法37の5)、又は認定事業用地適正化計画の事業用地の

    区域内にある土地等の交換等の特例(措法37の9の2)の適用を受けた場合には、適用されない(措法41⑥)。

  ○ 所得基準(3,000万円)を判定するのに、分離課税の譲渡所得の特別控除後で判断している。

   ⇒ 合計所得金額が3,000万円以下であるか否かの判定は、分譲課税の譲渡所得については特別控除前で行う(法2①三十、措法31⑤、32④)。

  ○ 住宅借入金等特別控除の対象となる中古住宅であるかどうかを判定する場合に、軽量鉄骨造の建物を耐火建築物としている。

   ⇒ 耐火建築物とは、建物登記簿等に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が石造、れんが造、

    コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいい、軽量鉄骨造は耐火建築物

    には含まれない(措令26②三、措規18の21③)。

  ○ 建築後25年を経過した木造建物について、既存住宅の取得として住宅借入金等特別控除の対象としている。

   ⇒ 耐火建築物以外の建物は、建築後20年以内のものが対象となる(耐火建築物は25年以内、措令26②)。

  ○ 5年前に増築された家屋(新築から20年以上経過した木造家屋)を住宅借入金等特別控除の対象となる既存住宅としている。

   ⇒ 取得の日以前20年(耐火建築物である場合は25年)以内に増築(改築)された家屋であっても、

    築年数(家屋が当初に建築されてからの経過年数)が20年(耐火建築物である場合には25年)を超えるものは、

    住宅借入金等特別控除の対象となる既存住宅に該当しない。

  ○ 増改築前の家屋の所有者でない者が増改築について住宅借入金等特別控除の適用を受けている。

   ⇒ 増改築した場合の住宅借入金等特別控除の適用は、自己の所有している家屋について増改築した場合に限られるので、

    例えば、父の所有する家屋について子が増改築しても、住宅借入金等特別控除は適用されない(措法41④)。

  ○ 給与所得者が使用者から利子補給金の支払を受け、実際に負担する金利が年1%未満となっているのに住宅借入金等特別控除を適用している。

   ⇒ 給与所得者等がその使用者等から使用人である地位に基づいて貸付け等を受ける次の借入金又は債務は、

    住宅借入金等特別控除の対象とはされない(措法41⑤、措令26(21)、措規18の21⑰)。

    ① 使用者又は事業主団体から貸付けを受けた住宅借入金等のうち、その利息の利率が年1%未満(無利息を含む。以下同じ。)

      である場合におけるその借入金又は債務

    ② 使用者又は事業主団体から支払を受けた利子補給金の額があるため、給与所得者が負担する住宅借入金等の利息の実質金利

     (支払利息の額から利子補給金の額を控除した残金の元本に対する割合)が年1%未満となる場合におけるその借入金又は債務

    ③ 使用者又は事業主団体から使用人である地位に基づいて譲り受けた家屋の取得の対価の額が、当該譲り受けた時におけるその

     家屋の価格の2分の1未満である場合におけるその家屋の取得に係る借入金又は債務

     (注) 平成10年12月31日以前に家屋又は増改築等をした部分を居住の用に供している者については、年3%の基準が適用されるので、

     平成11年に利率が1%未満に引き下げられても適用を受けることができないことに留意する(平11改正措令附10②六)。

  ○ 借入金の償還期間が、繰上返済等により、10年未満となっているのに住宅借入金等特別控除を適用している。

   ⇒ 借入金の償還期間が当初10年以上であっても、その後繰上返済により10年未満となった場合には、

     繰上返済をした年から住宅借入金等特別控除は適用されない(措通41-17)。

  ○ 消費税等の額から家屋の対価の額の計算が可能であるにもかかわらず、旧措規18の21の簡便計算で、

   建物の取得の対価の額を計算している。

   ⇒ 通常の場合、消費税額等を5%で割り返した金額に、消費税等の額を加えた金額を建物の取得の対価の額とすることが合理的と考えられる。

  ○ 平成11年1月1日から同年3月31日までの間に居住の用に供した者について、平成10年中に居住の用に供した場合に適用される控除率による控    除額を選択した場合(以下「経過措置の計算方法」という。)には、土地等の借入金については控除できないと考えている。

   ⇒ 経過措置の計算方法を選択して控除額を算出した場合に適用されるのは、年末残高の限度額(3,000万円)、

    控除期間(6年間)及び控除率のみが適用されるのであって、家屋とともに取得した土地等に係る住宅借入金等についても控

    除の対象となる(措法41①、平11改正措法附18②)。なお、経過措置の計算方法を選択した場合には、土地等に係る借入金等の取扱

    いの他、次の点に注意する必要がある。

    ① 増改築等をした部分を平成11年中に居住の用に供し、その増改築の部分についても控除を受ける場合には、

      すべての住宅借入金等について経過措置の計算方法によらなければならない(平11改正措法附18④⑤)。

    ② 適用対象となる新築住宅又は既存住宅の床面積要件の上限(改正前:240平方メートル)の廃止についても適用される。

    ③ 適用対象となる既存住宅の築後経過年数要件について、耐火建築物にあっては25年以内(改正前:20年以内)、

     耐火建築物以外の建物にあっては20年以内(改正前:15年以内)が適用される。

  ○ 土地の所有者を父、家屋の所有者を子として土地付家屋を購入した場合、それぞれ住宅借入金等特別控除を受けている。

   ⇒ 住宅借入金等特別控除の対象となる借入金は、家屋の購入等とともにするその家屋の敷地に要する資金に充てるための

    借入金とされることから、土地のみ購入している父の借入金は、住宅借入金等特別控除の対象とはならない。

  ○ 平成10年中に購入した土地に家屋を新築している場合、土地の購入に係る借入金は、住宅借入金等特別控除の対象とはならないとしている。

   ⇒ 改正後の住宅借入金等特別控除の規定は、平成11年1月1日以後新築等をした家屋について居住の用に供した者に

    適用することとされていることから、当該事例の場合、住宅借入金等特別控除の対象となる。

  ○ 新築の日前2年以内に取得した土地等の先行取得に係る銀行からの借入金について、家屋に抵当権の設定がないのに

    当該借入金を住宅借入金等特別控除の対象となる借入金としている。

   ⇒ 土地等の先行取得に係る銀行からの借入金については、家屋を目的とする抵当権の設定がない場合は、

    住宅借入金等特別控除の対象となる住宅借入金等には該当しない(措令26⑦六)。

     なお、家屋を目的とする抵当権が設定された以後の各年については、住宅借入金等特別控除の対象となる住宅借入金等と取り扱われることとなる。

  ○ 土地等の先行取得に係る借入金について、家屋を目的とする抵当権の設定が「根抵当権」であるため、

    住宅借入金等特別控除の適用は受けられないとしている。

   ⇒ 根抵当権も抵当権の一種であり、当該根抵当権が、根抵当権設定契約書等によって、家屋の敷地の用に供する土地等の借入金

    を担保するために設定されたものであることが確認できる場合には、住宅借入金等特別控除の対象となる借入金として差し支えない

   (措法41、措令26⑦)。

 

10 確定申告

 ○ 相続人が3人いるのに準確定申告書には相続人の氏名を1人しか記載していない。

  ⇒ 相続人が2人以上いる場合の準確定申告書には各相続人の氏名及び住所等を記載しなければならない(規49一)。

   付表を提出させ補正しない場合、他の相続人は無申告となることに留意する。

 ○ 2か所の競馬場で馬券売子として働いている日雇従業員が2か所から給与を受けているとして確定申告している。

  ⇒ 同一の時点において2ヶ所以上の支払者から給与を受けるものではないから申告義務はない(法121①、基通121-4)(還付申告はできる)。

    なお、申告する場合には、全ての給与収入(3か所であれば3か所全部)について申告することに留意する。

 ○ 還付申告に当たって20万円以下の給与所得等を除外している。

  ⇒ 申告書を提出する以上、20万円以下の給与所得等であっても申告しなければならない(確定申告をしないこととした少額配当を除く。)。

 〇 源泉分離の配当所得を申告している。

  ⇒ 源泉分離の配当所得分については源泉徴収により課税関係は終了している(措法8の5)。

 ○ たとえば少額配当10口について申告するかしないかの選択は10口全てについてするものと考えている。

  ⇒ 少額配当を申告するかしないかは、納税者の選択であり、銘柄でも中間配当、決算配当ごとに選択することができる。

 〇 確定申告をした少額配当を修正申告又は更正の請求で除外している。

  ⇒ 確定申告をした少額配当は、その後の修正申告や更正の請求において除外することはできない。

   また、少額配当の申告もれについては、修正申告はできず、更正の請求の事由にも当たらない。

 ○ 同族会社の役員が当該法人から不動産賃貸料を収受しているにもかかわらず少額であるとして申告していない。

  ⇒ 同族会社の役員は、給与所得以外の所得が少額であっても確定申告書を提出しなければならない場合がある(法121①、令262の2)。

 

 

 ○ 国外から直接支払を受けた給与所得と雑所得が10万円ある場合に確定申告をしていない。

  ⇒ 確定申告を要しない場合の給与とは、居住者に対し国内において支払われる給与(源泉徴収すべきもの、法121①一)をいう。

 ○ 源泉徴収税額が未納であっても還付申告により還付を受けることができるにもかかわらず、還付できないと考えている。

  ⇒ 所得税の還付又は充当については、所得税が徴収された日にその納付があったものとみなしている。(法223)。

    なお、給与の未払は内書し、源泉税が納付されるまで還付が保留される。

 ○ 法121条に該当する者が提出した申告は、本人の申出があっても撤回できないと考えている。

  ⇒ 撤回は認められるが、その後無申告となる(基通121-2)。

 ○ 居住者である外国人モデルの報酬について、支払者が誤って20%の源泉徴収をしたものを確定申告書で還付請求している。

  ⇒ 源泉徴収税額の過誤納金は、支払者である源泉徴収義務者が所轄署に還付の請求をし、

    いったん源泉徴収義務者が還付を受けた後、受給者に返金されることになる。

    なお、当初申告については、還付保留し、源泉徴収税額を正当額に修正させた後、更正あるいは修正申告させた後に処理することになる。

 ○ 平成13年分確定申告書を提出すべき者が、申告書を提出せずに平成14年1月に死亡した場合、確定申告期限は、3月15日と考えている。

  ⇒ 平成13年分、14年分の確定申告ともに、死亡した日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告書を提出することになる(法124、125)。