創業期・スモールビジネスの銀行融資に関して

 中小企業の融資は大きく2通りあります。

日本政策金融公庫を使う方法、民間の銀行と東京都信用保証協会を使う方法。

審査は日本政策金融公庫の方が甘い傾向があります。裏を返せば、2回目のチャンスまでならありますが、3回目はないと言っていいでしょう。

 

日本政策金融公庫の場合には、商工会議所からの紹介で融資を申し込むと利息が軽減され(3%前後→1%前後)、

同様に東京都信用保証協会の場合にも、区役所の紹介で申込をすると利率が安くなる(同様に3%前後→1%前後)。 

勘違いしてはいけないこと

いきなり厳しい口調で恐縮ですが、税理士として独立して8年間事務所を経営したものの教訓として、まず最初から融資を当てにしている経営者は5割くらいの確率で失敗するのを見てきています。融資が失敗するという意味ではありません、事業に大失敗するのです。最初の2年間くらいは黒字が出ない前提で仕事をしなければなりません、身銭を切って融資を返済する可能性があるのです。

 

ご自分の自己資金だけでは始められない事業規模というのは、社長であるあなたの身の丈に合っていない可能性がある、そしてさらに税理士が付いていながら融資の審査を断られたのであれば、プロの銀行員の目から見て相当に厳しい評価をされたという事です。真摯にそれを受け止める、その姿勢も非常に大切です。

 

弊社のお客様では、クレジットカードのキャッシングをするほど生活に困っていらっしゃった外国人の社長さんですら、政策公庫から500万の融資に成功しています。もちろん運不運はあるでしょうが、融資に落ちるということはそれ以下の評価だということになります。

税理士に全部お任せ そんな事でうまくいきますか? 

ある社長さんの話をしましょう。川崎駅で飲食店を開業したいといったが、何週間もかけて弊社に8-9回来社いただき打ち合わせを重ねても、お店がいったい何席で営業するのか、どんなメニュー構成になるのか、確定しません、いえ、ひとつの案すら出てきません。

銀行の面談まで日がありませんでしたから、見るに見かねて税理士である私が席数と客単価を仮定して事業計画書を作成しましたが、

結局面接当日にその方は①遅刻をし、②普段着で現れました。

 

スーツでなければいけないという決まりは有りません。しかし、よく考えてください。

銀行員というのはどういう人種でしょうか。社会の中でどんな階級の人たちでしょうか。

面接だというのに、相手に気に入られる努力をしなくてよいのでしょうか。

もし、子供の中学受験の面接にそんな姿で現れたら、一生恨まれるでしょう、それと同じことです。私もあと5年くらいはこの人のことを忘れられないと思います。

銀行に融資を申し込む際の想定問答

独立のきっかけ

この事業内容・業種に十分な経験・強みがあるか

安易な気持ちではじめたものではないか

同業他社あるいは異業種他社に対しての優位性があるか

個人の通帳の内容からの質問

通帳内の残高が常に少ないが生活に困っているのか

クレジットカード会社からの入出金があるがキャッシングしていないか

公共料金の支払いの延滞があるのはなぜか

給与は高いのに貯蓄が少ないのは何か事情があるのか

法人の通帳の内容からの質問

(現金商売の場合で)決算書の売上と通帳への日々の入金額に差異が大きいがなぜか

証券会社への出金があるが、株式やFXに投資しているのか

(融資を証券・FX投資に使わないように一筆かかせられる。)

取引先に金を貸していないか

融資の減額

もし希望額満額の融資が受けられない場合でも、事業遂行に支障はないか

最低いくら融資を受けられれば問題ないのか

税金滞納

税金の滞納は個人法人ともに無いか

事業内容の合法性

必要な許認可を受けているか

大家の許可を得ない目的外の物件利用ではないか

反社会的な勢力との繋がりはないか

店舗型事業の場合

この地域に土地勘はあるか

なぜこの物件を選んだか

近隣地域の同業他社と比べて強みは何か

物件は仮申し込み済みで確実に押さえられるか(物件が契約できないと融資は白紙でリ

セットになる。立地や席数、家賃等で事業計画・必要資金が変わるため。)

複数店舗の場合

各店舗間の距離が遠いが、社長自身で全て目が行き届くのか

各店舗に経験値の高いスタッフ、信頼できるスタッフや家族従業員を配置できるか

1店舗目は駅前2店舗目はロードサイドでタイプが異なるが経験が生きないのではないか

自己資金(資本金)の確認

ある日突然通帳にまとまったお金が入っているが、人から借りたお金ではないのか

独立前の給与からこつこつ貯めた様には通帳からは見えないが、どうお金を用意したか

採算性・資金繰り

毎月いくら以上売れば黒字経営できるのか

毎月の返済余力はどれくらいあるか

設備投資の中で分割払い、安価な方法やリースで代用可能なものはないのか

もっと小規模な設備投資で始める選択肢はないのか

売上予想の根拠

既存店と比べて妥当な予想か

どの程度の広告費を投入する前提か

現状の従業員数でのキャパシティを無視した売上ではないか

信用情報

クレジットカードの延滞や踏み倒しはないか

融資の返済が滞ったことはないか

多額のカーローンや多数のクレジットカードの所持はないか

共同経営

共同経営者とはどのような関係か

最終的にこの事業に責任を持つのは誰か

実質的な経営者はあなたではなく、表にでてこれない誰かがいるのではないのか

決算書の内容

短期貸付金の内容は何か

会社の資金が個人の家計又はグループ会社へ流れているのではないか

中小企業会計指針に準拠しているか

 

 

 

1、資本金額(自己資金)の重要性

 

 

 

日本政策金融公庫の新創業融資制度のように、創業資金の1/3(=融資申請金額の1/2)を自己資金でまかなうことが融資の条件とされている場合、申請金額が大きくなればなるほど申し込みのハードルも高くなってしまいます。

 

 

 

他人から一時的に借入れた「見せ金」を使ってこの条件をクリアしようとする起業家も少なくありませんが、資金の出所には金融機関の厳しい目が光っています。(個人預金通帳の提出

 

 

 

2、役員構成の重要性

 

 

 

過去に破産や信用事故を起こした人が役員の中にいると、融資を受けることが極めて難しくなってしまいます。しかし、会社立ち上げの主要メンバーとして、この人だけは外せない・・・。

 

こんなときは、(筆頭株主を除く)株主として経営に参加してもらうことで、融資申請の障害を取り除くことができます。

 

 

 

また銀行折衝の窓口として、別の方を立てる予定があるのなら、役員に加えるようにして下さい。銀行は会社の部外者を交渉の相手として認めてはくれません。

 

 

 

3、創業者の経歴(過去の源泉徴収票・確定申告)の重要性

 

 

 

日本公庫の新規開業資金の場合、開業しようとする業種の実務経験が3年以上あることを条件のひとつに掲げています。 創業者の経験や能力は、事業成功に直結する重要な条件です。

 

また、こつこつと貯蓄し、開業資金を作った起業家を銀行は評価しています。

 

 

 

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