川崎みらい税理士法人Blogs

留学生時代からタオバオをやっていた事例

留学生から経営管理ビザに変更し、税務調査に入られたケース

 

(1)留学生時代から自営業を営んでいたことの問題点

留学の在留資格で日本の学校に通っている外国人は資格外活動許可を得ると、

週28時間以内(夏季など長期休暇中は1日8時間まで)

家族滞在の在留資格の場合は、週28時間以内で就労することが可能となります。

 

しかし、この資格外活動許可の範囲には、自営業を営むことは入っていません。

例えば、留学生が学校以外の時間で、日本の洋服を仕入れて中国にEMSで送り、タオバオショップを

運営する、

やっている人を非常に多く見かけるのですが、これをやってしまうと違法行為です。

 

では、やってしまった場合の現実的対応と、特に留学生から経営管理ビザを取り、

税務調査に入られたケースについて下記に記載させていただきます。

 

何故なら留学生時代から自営業をやっていた人は、その自営業を法人化して、

経営管理ビザを取得していることが多いのです。

 

(2)税務調査の結果は入管に連携するのか

税務調査が入ると判明した時点で、「実は留学生時代から自営業をやっていた」と

税理士に相談が来るケースは比較的多いです。

皆さん発覚することで在留資格への影響を恐れています。

私が実際に対処したいくつかのケースでは問題は顕在化しなかったのですが、

それには下記の2つの要因があげられるのではないかと思われます。

 

①税務署は法人部門と個人部門が明確に分かれていること

 

法人の税務調査に来る担当官は法人部門に所属していますので、

源泉所得税を除いて、個人の所得税を調査する権限がありません。

このため、法人設立以降に代表者個人口座に入金がある場合には、

「法人の売上計上漏れ」として修正申告を勧めてくるのですが、

基本的に法人設立前の個人口座への入金を個人として確定申告するように

指導することしないはずです。

 

厳密には、個人課税部門に連絡するだけですので、調査を見送る必要はないのですが

あまりにひどい事例を除いては、穏便に済ませてくれる事が多い様です。

 

②税務調査は3年分をまとめて見ること

 

輸出貿易などで消費税還付申告をしている場合を除き、

税務調査は4期目以降に行われますので、法人設立前の期間の個人口座に

着目されることは稀です。

 

設立後であっても経営管理ビザの変更許可前であれば入管法上は問題なのですが、

税務職員は在留資格に関する研修は通常受けていませんので、その問題意識を

持っている方は稀ではないかと思います。

 

③税務署と入管の連携は基本的に無し

 

基本的に税務調査の情報を他の役所等に連携することはありません。

この点非常に心配されるのは分かるのですが、上記①②と合わせて、

ご安心いただいた方がよろしいかと思います。

 

経営管理ビザの更新で、入管は何をチェックするのか

 

(1)入国管理局が審査するのは源泉徴収票・決算書・法定調書・納税証明だけ

入国管理局がチェックするのは更新の直前の年度における、

源泉徴収票、決算書、法定調書となります。

つまり、一度、経営管理の在留資格が交付されている状況であれば、

設立前の時期で個人として申告漏れ(留学生ビザ時代の自営業収入)があったとしても、

その納税証明を提出する機会は基本的にはないということになります。

 

(2)もし税務調査があっても個人所得に影響させない結論を見つけること

法人の税務調査があった場合でも、個人口座に入金され簿外となっていた所得の申告方法には

役員賞与と役員貸付金の2通りがあります。

つまり、隠していた資金を役員がもらったという処理をするのであれば個人所得に影響しますが、

隠していた資金は後で役員から会社に返済するという処理であれば基本的に個人所得への影響は

ありません。

個人の納税証明書への影響が無い方法で、顧問税理士に交渉してもらいましょう。

 

(3)税務調査での指摘を未然に防ぐ方法

税務調査を未然に防ぐためには、顧問税理士にすべての情報を与えて相談しましょう。

法人設立後、法人の銀行口座開設までの期間に代表者個人口座にあった入出金の内容を

税理士が把握していれば決算報告書にその内容を反映させますので、

税務調査があっても指摘事項はなくなるはずです。

また、決算書類には、わかりやすい様に「〇〇銀行○○支店の個人通帳○○は帳簿に反映済み」等と

コメントをいれておくことにより調査先として選定されにくくなるはずです。

 

オンライン語学教室の経営管理ビザと税務

オンライン語学教室の経営で経営管理ビザの取得をする際の注意点

 

(1)事務所設備の説明

オンライン語学教室の場合、講師と生徒がともにオンライン上でやり取りを行いますので、

生徒に授業を受けてもらうための「教室」が必要ありません。

 

また、講師が事務所等に出勤しなければいけない事もなく、極端な話、

在宅で空いた時間を利用して自分の母国語を教える講師も存在します。

 

その様な状況であっても、経営管理ビザの申請上は代表取締役が経営管理の執務を執り行うための、

会社の事務スペースが必要ですし、事務所内の写真を何点か提出しなければ

ビザが降りないのは周知のとおりです。

 

ここでのポイントは、何名雇用予定であり、そのうち何名が本社勤務、何名が在宅勤務かを明確にし、

本社勤務者分のデスクとパソコンを完備して写真撮影しておくことです。

事務所の面積も、本社勤務予定人数に対して十分であれば問題ないのですが、

丁寧に説明をしないと誤解を生みやすい部分となります。

 

(2)設備投資額が少額であることをリカバリーする

 

オンライン語学教室に必要な設備投資と言えば、教材あるいは教材として使うiPad用のアプリなど

が主です。

設備投資額が大きいほど、本気でこの事業を始めようとしており偽装ではないと入国管理局に認めていただき

やすいのですが、

飲食業などと比べれば設備投資額が少額になりがちです。

 

これを説明によって補うには、アプリ制作業者との密な打合せのメール履歴、講師の採用内定通知書、

などが効果的です。

 

(3)オンライン上で可能な業務と、本社勤務の必要性とのの峻別

 

もし仮に外国人従業員を在留資格認定で日本に呼び寄せたい場合には、ただ講師を務めるだけではオンライン上でよい

わけですから、カリキュラム作成に携わる、営業活動をしてもらう等で来日しなければならない合理性の説明が

必要になるでしょう。

 

オンライン語学教室の経営と税務

 

(1)売上に関する消費税区分

年の消費税法改正により、改正後の消費税では「役務の提供を受ける者の住所地等」が日本国内であるかが消費税を納税するか

どうかの基準となります。

このため、オンライン受講者の中で日本居住者と非居住者をあらかじめ管理し売り上げを区分しておく必要があります。

 

(2)講師に対する給与の支払い

 

講師の中にも日本居住者と非居住者がいる場合には、日本居住者については通常の給与同様に源泉徴収を行い、

勤務時間によって社保・雇用保険などに加入することとなります。

 

一方、非居住者である講師に対しては、役務提供場所も日本国外であるため、源泉徴収は必要なく、

社保・雇用保険も加入しない取り扱いとなります。

 

これにより代表取締役の在留資格更新時や、従業員の就労ビザを申請・更新する際の必要書類である

法定調書合計表の給与額と決算報告書の給与額に乖離が大きくなり、入国管理局の審査担当者から疑義が出ることが予想されますが、

従業員別の居住地、給与の一覧などを添付し丁寧に説明することをお勧めします。

 

 

 

 

 

ツアーガイド業で経営管理ビザの取得が可能か

ツアーガイド業で経営管理ビザの取得が可能かについて

 

(1)経営管理ビザの在留資格への該当性

 

訪日旅行のツアーガイドを自営業として営んでいる外国人が日本の経営管理の在留資格を得られるかについて、

検討したいと思います。

ポイントは2つあり、①居住場所が日本である必要性があるか 及び ②就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)ではなく

経営管理ビザの取得が可能かどうかです。

 

①居住場所が日本である必要があるかどうかについて

 

主に下記の要素を総合勘案されることになりますが、訪日ツアー旅行だけを専門に案内しているのであれば、

通常は日本にいることが合理的です。

中国発の日本ツアー、台湾ツアーの両方を半々で手掛けているとなれば、日本に居住場所が必要であるかどうか

検討が必要でしょう。

 

・家族の居住地

・得意先である外国系旅行会社との商談や案件受注が日本国内で可能である疎明資料

・訪日ツアーが全体の業務量に占める割合(日程及び収入の両面)と今後の増加見込

 

②就労ビザではなく経営管理ビザである該当性

 

受注元となる旅行会社との契約形式が業務委託契約(雇用契約ではなく)であったとしても、

日本の在留資格上は就労ビザの対象となる場合があります。

就労ビザであれば当然に学歴用件が必要になりますが、

学歴要件の必要ない経営管理ビザを申請するのであれば、「経営管理」と言えるだけの実態が必要となります。

 

・自社名義で許認可・資格を有していること

・その業務に係る道具等を自己で購入・保管していること

・売上について値引き、値上げ等の判断を行うことができること

・過去、将来を含め1社専属ではなく複数顧客と取引があること

・自身の事務所やホームページ、店舗を有していること

・事故の名義で同業者団体の加入者であること

・自社の従業員を雇用していること、またはする予定があること

・自社の負担で損害保険等に加入していること

・業務の遂行の手順、方法などの判断は自社で判断する裁量があること

・勤務時間・場所の指定をされないこと

・旅費、交通費を受注元が負担しているのではなく自社負担であること

・報酬の最低保障がなく業務完了まで売り上げが生じないこと

・自ら請求書等の作成を行い受注元に請求していること(先方の計算によらないこと)

・売上が経費分も含めて一括で請求されていること(実費精算ではないこと)

 

(2)ツアーガイド業の消費税留意事項と在留資格の更新申請上の注意

 

ツアーガイド業を営む法人は売り上げとして海外旅行会社からの旅行代金総額が入金され、

売上原価としてバス会社、旅館等への支払いが計上されることが一般的です。

 

この場合、あくまで事務代行として、業務代行手数料と実費(バス会社、旅館への支払い)とを区分して請求する場合には、

その手数料については、輸出免税(非居住者に対する役務提供)に該当することとなり消費税の納税を無くすことができます。

決算書上も業務代行手数料だけを売上に計上します。

 

一方で、入国管理局が在留資格更新の可否や更新期間(1年か3年か等)を判断する際には、総売上が大きいことが

好印象に繋がる側面も否定できません。

消費税の税負担か、入国管理局への印象かどちらを選択するかは難しいところですが、

入国管理局への総額表示の決算報告書、税務署への純額表示の決算報告書の両方が存在していても、

両方ともに株主総会の承認を受けているのであれば法令上問題になるとは思えませんので、

2パターン作成されることをお勧めします。

 

外国人を従業員で採用する場合と業務委託で外注する場合の違い

外国人を従業員で採用する場合と、業務委託で外注する場合の違い

 

1、在留資格上の問題

 

 

IT関連、システムエンジニア、建設業、不動産仲介業などにおいては、外注スタッフと社員の両方が入り混じって

働いているケースが多いため在留資格の面からも注意が必要となります。

 

①外注してはいけない相手先

 

出入国管理法上、業務委託として業務を受注し日本で自営業を営むためには、

就労制限のない身分系の在留資格(例えば永住者、日本人配偶者等、定住者等)もしくは経営管理ビザ等が

必要となります。

これら以外の外国人材(例えば留学ビザ、就労ビザ等)に業務委託として外注費を支払う場合には、

支払者側の責任を問われることは通常想定されないものの、企業コンプライアンス上の課題となります。

 

②雇用してはいけない相手先

 

一方、社員としての雇用に関してですが、日本の就労ビザは原則として現場労働を認めないことから、

工事業や飲食業での現場担当としての社員雇用は出来ません。

このようなビザ申請をすれば在留資格の認定・変更・更新が認められませんし、

申請内容と実際の働き方が異なる場合には、雇用主企業の責任にもなってしまいます。

 

2、税務上の問題

システムエンジニア、建設業、不動産仲介業などにおいて、従業員として雇用されているか、

業務委託として外注されているかは、税務上も大きな問題となります。

税務上は外注のが有利であるため、税務調査では「偽装請負」ではないのかが論点となります。

 

給与の場合:源泉所得税の徴収あり。社保・雇用保険の加入あり。消費税の納税対象(仕入税額控除不可)

外注の場合:一定の場合のみ源泉徴収あり。消費税の仕入税額控除の対象。

 

税務調査などは下記の判断要素を総合勘案して判断がされますので、

実際に雇用契約ではなく業務委託契約を締結される場合には、下記の様な注意事項を

相手方と読み合わせのうえ、書面に残しておかれることをお勧めします。

 

税務上の判断要素の一覧

 

・支払者が作成している組織図・配席図に記載がある場合は給与、違う場合は外注

・役職(部長、課長等)がある場合は給与、違う場合は外注

・服務規程に従うこととされている場合は給与、違う場合は外注

・有給休暇制度の対象の場合は給与、違う場合は外注

・他の従集員と同様の福利厚生を受ける(社宅の貸与、結婚祝金、レクリェーション、健康診断等)違う場合は給与、

・通勤手当の支給を受けている場合は給与、違う場合は外注

・他の従業員と同様の手当を受ける(住居手当、家族手当等)場合は給与、違う場合は外注

・時間外(残業)手当、賞与、退職金の制度がある場合は給与、違う場合は外注

・労働組合に加入の場合は給与、違う場合は外注

・支払者からユニフォーム、制服等が支給(貸与)される場合は給与、違う場合は外注

・名刺、名札、名簿等において支払者に帰属しているようになっている場合は給与、違う場合は外注

・許認可を要する業務の場合、本人が資格を有している場合は外注、会社の資格で動く場合は給与

・その業務に係る材料・道具等を自己で購入・保管している場合は外注、違う場合は給与

・報酬について値引き、値上げ等の判断を行うことができる場合は外注、違う場合は給与

・過去を含め複数顧客と取引がある場合は外注、一社専属なら給与

・自身の事務所やホームページ、店舗を有していれば外注、違うなら給与

・事故の名義で同業者団体の加入者であれば外注、違うなら給与

・従業員を雇用している者であれば外注、違うなら給与

・自己の負担で損害保険等に加入しているなら外注、違うなら給与

・支払者の作ったスケジュールに従うなら給与、違うなら外注

・業務の遂行の手順、方法などの判断は本人が行うなら外注、違うなら給与

・勤務時間・場所の指定をされない場合には外注、違うなら給与

・旅費、交通費を会社が負担しているなら給与、違うなら外注

・報酬の最低保障があるなら給与、違うなら外注

・その対価に係る請求書等の作成がされていれば外注、違うなら給与

・その対価が経費分も含めて一括で請求されているなら外注、違うなら給与

・求人媒体において月給・時間給などと記載があれば給与、違うなら外注

・自営業として確定申告していれば外注、無申告なら給与

・他の従業員と給料日が同じなら給与、違うなら外注